資子内親王

資子内親王の生涯とその影響

資子内親王（ししないしんのう）は、平安時代中期に活躍した日本の皇族であり、村上天皇の第9皇女です。彼女の母は藤原師輔の娘である藤原安子で、兄弟姉妹には冷泉天皇や為平親王などがいます。彼女の生涯は、平安時代の社交界や政治に深く関わっており、弟の円融天皇の国母としての役割を果たしました。

幼少期と家族の喪失

資子内親王は応和元年（961年）11月に姉の輔子内親王と共に父の村上天皇と対面する儀式を経験しましたが、彼女の家族は次第に喪失の渦に巻き込まれていきます。応和4年（964年）には母の安子が亡くなり、さらに康保4年（967年）には父の村上天皇も崩御しました。彼女は多くの悲しみに直面しながら成長し、安和元年（968年）には着裳の儀が執り行われ、翌年には三品に叙せられます。

国母としての役割

安和2年（969年）、資子内親王の弟である円融天皇が即位し、彼女は実質的な国母の役割を果たすこととなります。円融天皇が元服する際に、内裏に頻繁に出入りするようになり、同年に開催された「藤花の宴」では、円融天皇も臨席し彼女は一品内親王に叙せられました。資子内親王の存在は、円融天皇の権威を高めるために重要だったと考えられています。

内裏での生活

彼女は円融天皇の治世中、ほとんど内裏に居住していたとされ、天元3年（980年）及び天元5年（982年）に発生した内裏の火事の際には、天皇や中宮や皇太子と共に避難しています。また、彼女の社交活動も活発で、円融天皇の中宮や女御たちと親しく交わっており、その関係は歌によって表現されています。

晩年と葬儀の混乱

永観2年（984年）には円融天皇が譲位したことを受けて内裏を離れ、その後三条宮に移りました。その後、資子内親王は寛和2年（986年）に出家し、入道一品宮と名乗ります。彼女の晩年には、具平親王の三女である嫥子女王を養女とするなどの活動も見られます。

資子内親王は長和4年（1015年）4月26日に61歳で亡くなりましたが、その際には彼女の病気がちにもかかわらず、別当藤原斉信が葬送の際に高野山に出かけていたため、葬儀の準備が遅れる事態が発生しました。社会はこのことに対して斉信を非難しましたが、最終的には内大臣藤原公季が葬送を執り行うこととなり、無事に埋葬が行われました。

彼女の遺志

資子内親王は生前、自身の邸宅である三条宮を売却して、その費用を仏事に充てるよう希望していたとされています。その後、彼女の遺志は藤原定輔によって受け継がれ、三条宮は三条天皇に献上されました。

資子内親王は平安時代の女性が政治や社会に与えた影響を象徴する存在であり、彼女の生涯は彼女自身の力だけでなく、周囲の支えによって成り立っていたことが伺えます。

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