具平親王

具平親王について

具平親王（ともひら しんのう）は、平安時代中期の有名な皇族であり、村上天皇の七番目の皇子として知られています。彼は官位として二品・中務卿をつとめ、後に「後中書王」や「千種殿」、「六条宮」といった通称でも呼ばれました。彼の人生と業績は、その時代の文化と密接に関わっています。

経歴

具平親王は、応和4年（964年）に彼の叔父である源保光の家で生を受けました。康保2年（965年）には親王宣下を受け、康保5年（967年）に父親である村上天皇が崩御した後、母親の荘子女王も出家します。円融朝の貞元2年（977年）には元服し三品に叙せられ、一条朝では兵部卿・中務卿として活躍しました。

その後、寛弘4年（1007年）には二品に昇進しますが、翌寛弘5年（1008年）には母の死をきっかけに心情が乱れ、寛弘6年（1009年）には46歳という若さで亡くなります。彼の最終的な官位は二品行中務卿でした。

人物像

幼少期から知的好奇心が旺盛であった具平親王は、文人としても非常に優れた才能を持ち、一条朝における文壇の中心的存在として知られています。彼の叔父である兼明親王が「前中書王」と呼ばれる一方、具平親王は「後中書王」としてその影響力を深めました。彼は詩歌や管弦楽、書道、陰陽道、さらには医術にも通じ、幅広い知識を有していました。

特に、橘正通や慶滋保胤に学んだこと、また大江匡衡や藤原為頼・為時兄弟（紫式部の伯父や父）との関係からもその学びが窺えます。具平親王は藤原公任との歌の優劣を巡る議論では、柿本人麻呂の詩が優れていると主張し、公任を論破した逸話が残されています。

彼の詩歌は『拾遺和歌集』に3首収められ、その他にも多くの勅撰和歌集に41首が採録されており、漢詩作品も『本朝麗藻』や『和漢朗詠集』、『本朝文粋』などにまとめられています。

著作

具平親王の文学的成果としては、散逸してしまった『具平親王集』や『弘決外典鈔』、さらには『書写山性空上人伝』などが知られています。

系図

彼の家族には村上天皇を父に持ち、母は荘子女王（代明親王の娘）です。妻として為平親王の娘を娶り、彼には長女隆姫女王（995-1087）や次女祇子女王、三女嫥子女王（1005-1081）、男子源師房などが存在しました。特に、隆姫女王は藤原頼通の妻となり、嫥子女王も藤原教通の妻となるなど、彼の子女は藤原家とのつながりを強めていきました。

具平親王の子孫は村上源氏として知られ、その後の院政期においても影響力を持ち続けました。彼の人生には、多くの文学的業績や文化的交流があり、平安時代の文人としての地位を確立した重要な人物の一人であります。

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