贛語

贛語（かんご）は、シナ・チベット語族に属するシナ語派の言語であり、中国語の方言区分の一つです。中国の江西省を中心に、湖南省東南部、福建省西北部、そして安徽省や湖北省の一部でも使用されています。

分布と使用状況

贛語は、中国の漢民族人口の約2.4%が使用しており、七大方言の中では最も少ない話者数を抱えています。その分布地域は、江西省の中部および北部が中心で、その他に湖南省東南部、福建省西北部、そして安徽省や湖北省の一部地域に広がっています。贛語の代表的な方言としては、南昌語が挙げられます。

音韻の特徴

贛語は、その音韻体系においていくつか独自の特徴を持っています。

清濁の対立: 贛語には、清音と濁音の対立は存在しません。しかし、北方語とは異なり、古い濁音は有気音に変化しています。例えば、「大」や「道」といった漢字は、[tʰ]と発音されます。
歯擦音: 贛語に存在する歯擦音は、歯茎音の[s, ʦ, ʦʰ]のみです。
鼻韻母: 鼻韻母には、[n]と[ŋ]の区別がありますが、[m]は存在せず[n]に合流しています。
入声韻: 入声韻は、南昌では[-t]と[-k]のみですが、臨川では[-p]も見られます。
声調: 贛語の声調は、一般的に六つあるとされています。
その他: 声母には[l]は存在しますが、[n]は存在しません。例えば、「南」という漢字は、「藍」のように発音されます。ただし、[i]の前では歯茎硬口蓋鼻音[ȵ]が現れます。

音韻の詳細

南昌語を代表的な例とすると、贛語には19の声母、65の韻母、そして7つの声調が存在します。

声調

贛語の声調は、中古四声が陰陽に分かれた7つの声調を持っています。このうち二つは入声であり、トーンの違いとしては五つに分類できます。

陰平 (42)
陽平 (24)
上声 (213)
陰去 (55)
陽去 (21)
陰入 (5)
陽入 (21)

文字

贛語の表記には、漢字が使用されます。

関連項目

中国語

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