赤いクレヨン

赤いクレヨン

「赤いクレヨン」は、現代の怪談として知られる都市伝説の一つです。夫婦が新居で体験する奇妙な出来事を描いています。

あらすじ

ある夫婦が、長年の夢だった一軒家をようやく手に入れました。中古物件ではありましたが、新築と変わらないほど綺麗で、しかも格安だったため、すぐに購入を決めたのです。しかし、引っ越して間もなく、夫婦は廊下に落ちている赤いクレヨンを見つけます。夫婦に子供はおらず、誰かが侵入した形跡もありません。最初は気に留めなかったものの、その後も不可解な現象が次々と起こり始めます。夫婦は不安になり、この家について調べることにしました。

調査の結果、この家には図面にはない、もう一つの部屋が存在するはずの空間があることが判明します。意を決した夫婦は、「隠された部屋」があると思われる場所の壁紙を剥がし始めました。すると、そこには釘で打ち付けられた扉が現れたのです。おそるおそる扉を開けると、そこは何も置かれていない空っぽの部屋でした。しかし、その部屋の壁一面には、「おかあさん ごめんなさい だして」という赤い文字がびっしりと書き込まれていたのです。

解説

この物語が広まり始めたのは1980年代末から1990年代初頭にかけてのことです。実はこの話は、タレントの伊集院光氏が、1997年頃にラジオ番組『山田邦子のしあわせにしてよ』内の怖い話企画で発表した創作怪談でした。番組を聞いた視聴者の中には、この話を自分の体験談として雑誌に投稿する者も現れ、噂は「友達の友達の体験」として尾ひれがつき、次第に都市伝説として広まっていったのです。

噂が広まるにつれて、作者が伊集院光氏であることを知らない人も多くなりました。伊集院氏自身も、仕事関係者から都市伝説としてこの話を聞かされたことがあるそうです。

類話

類話としては、江戸川乱歩の『お勢登場』などが知られています。

脚注

松山ひろし『3本足のリカちゃん人形』イースト・プレス、2003年。ISBN 978-4-87257-410-4。

関連項目

茶碗の中 - 小泉八雲の編纂による怪談。未完であり、文章の途中で断ち切られているがゆえに、読む者は「作者の身に」何が起きたのかを考えずにはいられなくなる。
隙鬼間 - そっくりな事件が作中で起こる。
変な家 - ウェブライターの雨穴によるウェブメディア記事、YouTube動画、その動画と連動した不動産ミステリー小説及び映画。

外部リンク

* 実録! 呪われた都市伝説 最凶 平成の都市伝説集「赤いクレヨン」 - ShowTime。「実録! 呪われた都市伝説」製作委員会 (2006年)。2009年8月22日閲覧。

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