赤い絆

テレビドラマ『赤い絆』の概要



『赤い絆』(あかいきずな)は、1977年12月2日から1978年6月9日までTBS系列で放送された日本のテレビドラマで、TBSと大映テレビの共同制作による「赤いシリーズ」の第6弾です。この作品は、平均視聴率29.5%、最高視聴率32.4%を記録し、多くの視聴者に支持されました。

本作は、山口百恵が主演する物語で、彼女の登場人物・小島恵子が「赤線で生まれた娘」という出生の秘密に苦しむ姿を描いています。恵子は、偏見にさらされながらも過酷な運命に立ち向かい、実父の復讐を手伝うことを余儀なくされます。しかし、彼女は愛を成就させることで、実母や嫁ぎ先の家庭にも幸福をもたらし、実父の心にも救いを与えていくのです。

物語は、彼女が不良少女というキャラクターとして初めて登場し、仲間たちとともに日々を生き抜く姿から始まります。彼女の背景には、過去に中流以上の家庭で育った少女の姿があり、実母の過去と自身の圧力によって運命が翻弄されていきます。彼女はやがて、自身が「売春婦の娘」であることを知り、養父母の家を出て渋谷での孤独な生活を始めます。

恋愛模様が描かれる中、彼女は志摩信夫という外交官の青年に出会い、恋に落ちます。しかし、信夫には婚約者がいます。この婚約者は恵子の実母の嫁ぎ先にあたる吉川家の娘であり、物語は次第に複雑な人間関係を展開させます。吉川総一朗の娘、真砂子がその婚約者であり、恵子は彼女との立場が逆転することで否応なく愛と復讐が絡み合う様相を見せます。

ストーリーの中で、恵子の実母である志津子の過去も重要な役割を果たします。彼女は旧日本海軍の将校の娘でありながら、東京大空襲で戦災孤児となって赤線の世界に身を置いていました。この背景は、恵子と志津子、自身の運命がどのように繋がっているのかを深く考えさせる材料となっています。

終盤では、恵子と信夫が直面する複雑な状況や、人間関係の解決が描かれます。志津子は生涯の中で様々な葛藤を抱えるキャラクターであり、彼女の母や養父母との関係もまた深い悲劇を生むことになります。最終的に、信夫と恵子はそれぞれの愛に向かって進み、フランスのパリへと旅立つことで、彼らの未来への希望が示唆されるのです。

主なキャスト



音楽と制作


音楽は菊池俊輔が手掛け、主題歌には『赤い絆(レッド・センセーション)』が用いられています。原作の脚本は佐々木守をはじめとする複数の作家によって執筆されています。本作は、多岐にわたる人間ドラマと深い感情表現が魅力であり、山口百恵にとっても重要な作品となりました。『赤い絆』は、その後の「赤いシリーズ」の一つとして、視聴者に強く印象づけられることとなりました。

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。