赤い靴 (テレビドラマ)

テレビドラマ『赤い靴』

『赤い靴』（あかいくつ）は、1972年10月3日から1973年9月25日までの約1年間、TBS系列にて放送された連続テレビドラマです。この番組は、全52話から構成され、製作元は東宝です。放送時間は、毎週火曜日の19:00から19:30でした。

あらすじ

物語の中心は、小田切美保という若い女性で、彼女は母親がバレリーナであった影響を受け、自らも「和泉バレエ団」に入団します。美保は、ライバルである甲斐鏡子と日々競い合いながら、プリマドンナになることを目指して努力します。彼女は、先輩の稲村節子からいじめを受けることもあるものの、その試練を乗り越えて成長していく姿が描かれています。脚本は上條逸雄が担当し、原作も彼によるものです。

本作は、当初全26話の予定でしたが、視聴者からの好評を受けて、放送の途中で倍の52話に延長されることとなりました。また、このドラマはサブタイトルがないのが特徴で、各エピソードは「第（数字）回」という形で冒頭に表示されました。

制作の背景

本作のプロデューサーのひとりである土井利泰は、NHKでのバレエ番組を視聴したことがきっかけで、バレエをテーマにしたドラマの制作を決意しました。ドラマのタイトルも、1948年のイギリス映画『赤い靴』にちなんだものです。土井は「子供向けプログラムはただの娯楽ではなく、一貫したテーマが必要である」と考え、心豊かなバレエドラマを作ろうとしました。

当初、本作は『不二家の時間』の後続番組として企画されましたが不採用となり、後に『なんたって18歳!』の後継番組として再度企画され、無事に放送が決定しました。企画の連絡を取った際、主演には本職のプリマ級のバレリーナを起用しようとしました。その結果、牧阿佐美バレエ団に所属していた靭啓子が主演に起用されることになりました。靭は当初ドラマの経験はほとんどなかったものの、彼女の演技が評価され、主演の座を得ました。

キャストと制作スタッフ

主演のゆうきみほの他、甲斐鏡子役には梅田智美、稲村節子役には八代るみ子、勝山隆役には竜崎勝、和泉邦江役には南風洋子がキャスティングされました。スタッフにはプロデューサーとして土井利泰の他に黒田正司と石井幸一が関与し、脚本は上條逸雄と鴨井達比古が手掛けました。監督は日高武治と竹林進、音楽は三沢郷が担当しています。

音楽と放送局

オープニングテーマや挿入歌は中村洋子によるもので、作詞は岩谷時子、作曲は三沢郷とされています。視聴の平均率は16%と高かったです。

放送はTBSで行われ、多くの地方局でも同時刻に放送されました。視聴者にとって、バレエの美しさと感動を体験できる作品として広く知られています。

コミカライズ

また、この作品はすずき真弓によるコミカライズもされ、週刊少女コミックや学年別の学習雑誌に連載されました。漫画作品もドラマと同様に、多くの読者に愛されました。主役のゆうきみほは、後にバレエの指導者としても活躍しています。

『赤い靴』は、バレエとその世界の魅力を多くの視聴者に伝えた作品であり、今でも多くの人々の記憶に残るドラマです。

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