赤井直義

赤井直義

赤井直義は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての武将で、丹波国黒井城主・荻野直正の二男として生まれました。通称は悪右衛門。

生涯

若年期と黒井城の戦い

天正6年（1578年）に父・荻野直正が死去すると、兄の直信が家督を継ぎました。しかし、天正7年（1579年）、明智光秀による黒井城攻めにより城は落城。当時9歳だった直義は、辛くも落ち延びました（黒井城の戦い）。その後、荻野金左衛門（または金右衛門）と名を改め、一時隠棲生活を送りました。

戦国乱世を生き抜く

後に織田秀信の旗本として仕え、朝鮮出兵にも参加しました。慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いでは、西軍の小野木縫殿佐に牢人分として従い、丹後国田辺城攻めに加わります（田辺城の戦い）。戦後、有馬豊氏に一時仕えましたが、後に退去しました。

藤堂家への仕官と大坂の陣での活躍

慶長15年（1610年）、山口直友の仲介により藤堂高虎に仕え、1,000石を与えられました。この際、先祖の名に戻すよう命じられ、赤井悪右衛門と改名しました。慶長19年（1614年）の大坂冬の陣では、鉄砲組20人を率いて渡辺勘兵衛と共に先手を務めました。翌慶長20年（1615年）の大坂夏の陣では母衣役を命じられ、奮戦しました。

死去とその後

承応2年（1653年）、赤井直義は死去しました。跡目は子の直綱（弥平次、のち悪右衛門）が継ぎ、1,000石の知行も引き継がれました。

赤井家住宅

2010年（平成22年）には、赤井氏が居住した赤井家住宅が国の登録有形文化財に登録されました。さらに2011年（平成23年）、直義の子孫から伊賀市へと寄贈され、現在もその姿を留めています。

人物像

激動の時代を生き抜いた武将であり、幼少期の落城から数々の戦いを経験し、最終的には藤堂家臣として落ち着いた生涯を送りました。その足跡は、現代にもその名残をとどめています。

参考文献

* 芦田確次; 青木俊夫; 村上完二; 船越昌『丹波戦国史』歴史図書社、1973年。全国書誌番号:73010861。

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