赤坂の姉妹より 夜の肌

映画『赤坂の姉妹より 夜の肌』

概要

『赤坂の姉妹より 夜の肌』は、1960年に制作された日本映画で、東京映画製作によって企画され、東宝が配給を担当しました。カラー作品で、東宝スコープ方式で撮影された本作は、原作が由起しげ子の小説『赤坂の姉妹』です。本作の監督は川島雄三が務め、赤坂でバーを経営する姉妹の複雑な人間模様と生き様を描いています。特に、川口知子の演技は評価され、日本映画製作者協会新人賞を受賞しました。

あらすじ

物語は、信州から東京にやってきた鳴海冬子の視点で進行します。彼女は姉の助けで赤坂を訪れ、姉の夏生が経営するバー「しのみ」での同居生活が始まります。夏生はバーのマダムとして自らの立場を確立し、妹の昭恵も同じバーで働いています。

赤坂での生活が始まった冬子は、次第に姉妹の周囲に起こる出来事に巻き込まれていきます。夏生は、阿久井自動車の副社長である阿久井と、その友人である女給与ブローカーの田辺からの迫りに直面します。妹の秋江は、田辺に対して恋心を抱きつつも、冬子の態度に批判的な立場を取ります。

夕暮れ時、姉妹の経営するバー「しのみ」は夜の赤坂で存在感を示し、周囲の女給たちからも一目置かれる存在となりました。そんな中、阿久井が「しのみ」で催行されたクラス会の夜、夏生は300万円が入ったカバンを誤って渡してしまいます。このトラブルは姉妹間の対立を生み出し、秋江は不注意を責められることになりますが、最終的にはカバンの持ち主が判明し、問題は解決します。

人間関係と葛藤

物語が進むにつれ、政治的な権力者である上谷が夏生に興味を抱き、彼女はさらに複雑な恋愛模様に巻き込まれていきます。上谷は新劇女優の理恵と関係を持ちながらも、夏生に対して特別な感情を抱きます。一方、冬子は大学で進歩派のグループに参加し、偶然中平という男性の助手として活動を始めます。中平は夏生の元恋人であり、彼の登場が物語をさらに興味深くさせます。

冬子がデモで逮捕されると、中平は彼女を保護し、夏生の元に送り届けます。この出来事を通じ、冬子は姉の男に対する言動を非難し、姉妹間の緊張感が高まります。夏生は新たにレストランを開店する計画を立て、姉妹での共同経営を提案しますが、昭恵は田辺と共にブラジルへ行くことを決意します。

冬子は北海道で見た新たな理想の世界を語りながら、自身の人生の選択を模索していきます。

結末

三姉妹の人生が異なる方向へと進む中、赤坂の夜は静かに流れていきます。彼女たちの物語は、希望や夢、そして家庭や恋愛の現実を映し出しながら、各キャラクターの成長と葛藤を描き続けます。

キャスト

• - 淡島千景 : 鳴海夏生
• - 新珠三千代 : 鳴海秋江
• - 川口知子 : 鳴海冬子
• - 三橋達也 : 中平萄三
• - 田崎潤 : 阿久井譲二

映画『赤坂の姉妹より 夜の肌』は、姉妹の絆や人間ドラマを通して、観る人に深い感動を与える作品となっています。

もう一度検索