赤坂宿 (東海道)

赤坂宿の歴史と特徴

赤坂宿（あかさかしゅく）は、愛知県豊川市赤坂町に位置し、東海道五十三次の36番目の宿場です。江戸時代、この地は御油宿や吉田宿と共に多くの飯盛女を抱え、「御油や赤坂、吉田がなけりゃ、なんのよしみで江戸通い」という言葉があるほど繁栄していました。しかし、官設鉄道が通ることにより、宿場は次第に衰退を余儀なくされます。

かつての賑わいを誇った赤坂宿ですが、鉄道の経由地から外された結果、繁栄を失いました。赤坂宿が鉄道を避けたとする俗説もありますが、その証拠は見つかっていません。地勢的な理由もあり、赤坂経由の線路敷設は難航したため、より利便性の高い蒲郡経由が選ばれることになりました。

大橋屋

赤坂宿で唯一、21世紀まで営業を続けていた旅籠「大橋屋」は、元禄時代の古い歴史を持ちます。この宿の創業は1649年に遡り、現在残る建物は1716年に建てられたものとされています。大橋屋は宿場内での大旅籠に位置し、宿屋の中でも規模が大きかったことが特徴です。当時、享保18年には83軒もの旅籠が存在しましたが、その中で大橋屋は特に重要な存在でした。

歌川広重の作品「東海道五十三次・赤坂」に描かれている中庭は、その美しさを物語っていますが、作品に登場するソテツは現在は移植されていると伝えられています。

赤坂宿と御油宿の関係

赤坂宿は御油宿から非常に近い位置にあり、両者の距離はわずか約1.74kmです。この近さが、松尾芭蕉の句「夏の月 御油より出でて 赤坂や」にも表れています。これは、異なる宿場同士の密接な関係を示すものと解釈されています。この近隣には、今でも松並木が残されており、歴史を感じさせます。

赤坂陣屋の設置

もう一つの重要な要素は、1682年に設けられた赤坂陣屋です。この代官所は三河国の統治のために設立され、後に明治政府直轄の三河県の県庁としての役割も果たしました。赤坂陣屋がその後の地域の行政と裁判の中心となり、地域の政治の重要な舞台として機能しました。

備考と関連情報

なお、同名の宿は中山道にも存在し、岐阜県大垣市赤坂町に位置しています。

赤坂宿は、ただの通過地点としてではなく、その歴史的背景や文化、繁栄の面影を通じて、訪れる人々に多くの物語を語りかけています。地域の観光協会や公式のリンクを通じて、赤坂宿の魅力をより深く知ることができます。

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