赤城颪

赤城颪（あかぎおろし）

赤城颪とは、群馬県中央部に位置する赤城山から東南部にかけて、冬季に吹く乾燥した冷たい強風を指します。群馬県全域では「上州空っ風（じょうしゅうからっかぜ）」とも呼ばれています。

赤城颪の発生メカニズム

この風は、シベリア高気圧から日本列島に向けて吹いてくる風が、群馬・新潟県境の山岳地帯にぶつかることで上昇気流となり、日本海側に大雪を降らせることから始まります。山を登る際には、湿潤断熱減率によって温度が低下しますが、山を越えて吹き下ろす際には乾燥断熱減率によって暖かく乾いた風となります。このフェーン現象が赤城颪の主な要因です。

特に、群馬県太田市や伊勢崎市の郊外では、赤城颪によって畑地の砂が巻き上げられ、空を黄色く染める光景がよく見られます。また、日本列島に寒波が到来すると、歩くのが困難になるほどの強風となり、電車の遅延などの交通機関への影響も発生します。

名称の由来と地域差

赤城颪は、赤城山方面から吹き降ろすことからこの名で呼ばれています。そのため、赤城山以北では「空っ風」と呼ばれ、「赤城颪」とは区別されます。

群馬県の象徴としての赤城颪

赤城颪は、群馬県の「かかあ天下」や「雷」と並び、群馬県を象徴するものの一つとされています。これら3つを合わせて「群馬の3K」と呼ぶこともあります。また、上毛かるたでは「雷と空っ風、義理人情」と詠まれており、県民にとって身近な存在です。

赤城颪の影響範囲

赤城颪は、太田・伊勢崎よりもさらに先の利根川対岸にある埼玉県北部地域・利根地域にも強く吹き込みます。埼玉県加須市にある「志多見砂丘」は、会の川流域及び古利根川（上流では現：葛西用水路）域の自然堤防上に、赤城颪が運んできた砂が堆積して形成された河畔砂丘とされています。このことから、赤城颪が広範囲に影響を及ぼしていることがわかります。

まとめ

赤城颪は、群馬県の気候を特徴づける風であり、そのメカニズムはフェーン現象に起因します。冬季に吹く強風は、日常生活や交通機関に影響を与えることもありますが、同時に群馬県の文化や景観を形成する重要な要素となっています。

関連項目

颪
局地[[風]]
からっ[[風]]
二荒[[颪]]
* 筑波[[颪]]

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