赤木洋勝

赤木洋勝（あかぎ ひろかつ）

プロフィール

1942年6月10日、鹿児島県枕崎市に生まれ、2020年8月6日に肺炎のため逝去されました。薬学博士の学位を持ち、公衆衛生、環境衛生学の研究者として、特に水銀汚染問題に関する研究に尽力しました。私設研究所「国際水銀ラボ」の所長も務められました。

経歴

• - 1942年：鹿児島県枕崎市に誕生。
• - 鹿児島県立枕崎高等学校を卒業。
• - 1966年：岐阜薬科大学を卒業。
• - 1968年：岐阜薬科大学大学院薬学研究科を修了、薬学修士を取得。
• - 1976年：岐阜薬科大学より薬学博士号を授与（学位請求論文『水圏における水銀化合物の光化学的変換』）。
• - 1968年：厚生省に入省、国立公衆衛生院（現在の国立保健医療科学院）に勤務。
• - 1976年：厚生省国立公衆衛生院主任研究官に就任。
• - カナダ国立科学研究所の客員研究員などを歴任。
• - 1981年：環境庁国立水俣病研究センターに赴任。
• - 1992年：同センター国際総合研究部長に就任。
• - 2001年：水俣で開催された第6回国際水銀会議の組織委員長を務める。
• - 2004年：環境省国立水俣病総合研究センターを退官、私設研究所「国際水銀ラボ」を設立。

退官後は、国際水銀ラボにて、インドネシア、ブラジル、タンザニア、中国、ベトナム、スロベニア、スウェーデン、カザフスタンなど、世界各地で水銀分析技術の研修、調査、共同研究等を実施し、水銀汚染問題の解決に貢献しました。

業績

赤木洋勝は、水銀分析技術の分野で顕著な業績を残しました。特に、微量のメチル水銀を正確に測定できる「赤木方式」の開発は、水銀汚染研究において画期的な成果となりました。この方法は、従来の水銀濃度分析手法を改良したもので、その精度と信頼性の高さから、国際的にも高く評価されています。

2004年には、環境省によって「水銀分析マニュアル」としてまとめられ、世界中の研究機関や分析機関で広く利用されています。赤木方式は、水銀汚染の調査、環境モニタリング、食品の安全検査など、様々な分野で活用され、環境保全と人々の健康保護に貢献しています。

赤木洋勝の研究は、水銀による環境汚染の実態解明と、その対策に大きく貢献したと言えるでしょう。その功績は、後世に語り継がれるべきものです。

その他

赤木洋勝は、研究活動だけでなく、水俣病問題に対する社会的な啓発活動にも積極的に取り組みました。その誠実な人柄と情熱は、多くの人々から尊敬を集めました。

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