赤松義雅

赤松義雅の生涯

赤松義雅（あかまつ よしまさ）は、室町時代中期の武将で、赤松満祐の弟として知られています。彼の人生は、多くの戦闘と政争に翻弄されながらも、勇敢に生き抜いた姿が印象的です。

背景と初期の軍事活動

義雅は、赤松義則の子として生を受けました。兄の満祐が台頭する中、彼もまた武将としての道を歩み始めます。永享4年（1432年）9月、大和地方で発生した越智維通による大和永享の乱において、義雅は兄の命令で軍を編成し、畠山持国と共に敵の拠点である箸尾城を攻撃しました。この攻撃は成功し、11月30日に城を攻略しましたが、帰り道で野伏の襲撃を受け、60名もの家臣を失い、自身も重傷を負う結果となりました。この出来事は、義雅にとって大きな試練となったことでしょう。

所領没収と兄との関係

その後、永享12年（1440年）3月17日に足利義教の命令により、義雅の所領は全て没収され、兄の満祐と他の一族の者たちに分配されました。この措置は義教が有力守護大名に介入する狙いがあったものの、満祐への義教の恨みをさらに深める要因ともなりました。

嘉吉の変とその後

嘉吉元年（1441年）6月24日に発生した嘉吉の変では、義雅はその時播磨に滞在しており、兄や弟の則繁が計画していた足利義教の暗殺に直接関与していなかったことが確認されています。しかし、事件後に彼の屋敷が満祐によって焼かれ、また兄との血縁関係から義雅は満祐側に仕立てられてしまいました。このため、山名宗全が主導した幕府軍は赤松討伐に乗り出し、義雅は満祐の指示に従い、但馬口を守っていました。しかし、8月30日に山名軍に敗北し、赤松家の居城である城山城に逃れました。

最後の戦いと自害

一時は幕府軍に対し奮闘したものの、9月9日の夜、義雅は息子の千代丸を連れ城から脱出し、赤松満政が指揮する攻め手に投降しました。しかし、義雅は将軍暗殺の首謀者に近い者として許されず、千代丸を満政に託した後、自ら命を絶ちました。義雅は45歳でこの世を去りました。

その最後を飾る辞世の歌は、「思ひきや、四十路あまりの、春秋を、花や紅葉と、散り果てんとは」と詠まれています。義雅の遺児である千代丸は後に時勝と名乗りますが、早逝してしまいました。しかし、その子孫である赤松政則の時代には赤松家が再興を果たしました。

参考文献

• - 高坂好『赤松円心・満祐』吉川弘文館〈人物叢書〉、1970年。

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