赤烏

赤烏（せきう）とは

赤烏（せきう）は、中国の三国時代に呉（ご）の初代皇帝である孫権（そんけん）が使用した元号です。西暦238年から251年までの期間を指します。この元号は、呉の歴史において重要な時期に使われました。

また、赤烏という言葉は、中国の伝説に登場する「太陽の中に住む三本足の烏」という意味も持ちます。この烏は、太陽の象徴として尊ばれ、日本における八咫烏（やたがらす）に相当すると考えられています。

日本における赤烏

赤烏は、日本にも伝わっており、『日本書紀』には、持統天皇6年（西暦692年）の秋7月に「與獲赤烏者鹿嶋臣櫲樟（あかきををえたるは、かしまのおみいちぐす）」という記述があります。これは、赤烏を捕獲したという内容で、当時の日本においても赤烏が知られていたことを示唆しています。

また、兵庫県宝塚市の安倉高塚古墳や山梨県市川三郷町の鳥居原狐塚古墳からは、赤烏の元号が刻まれた神獣鏡が発見されており、これらの遺物からも赤烏の存在が確認できます。

赤烏の時代の出来事

赤烏の時代には、以下の様な出来事がありました。

赤烏元年（238年）8月: 瑞兆（めでたいしるし）があったことにより、それまでの嘉禾7年から赤烏元年へと改元されました。
赤烏4年（241年）: 皇太子であった孫登（そんとう）が死去しました。
赤烏5年（242年）: 孫権は三男の孫和（そんわ）を皇太子に、四男の孫覇（そんは）を魯王に封じました。この後、孫和と孫覇の間で皇位継承を巡る激しい争いが始まりました。
赤烏13年（250年）: 孫権は七男の孫亮（そんりょう）を皇太子に立てました。
赤烏14年（251年）5月: 元号が太元（たいげん）へと改元されました。

参考文献

『三国志』（中華書局 1974年）
『中国歴代年号考』李崇智（中華書局 2004年）

関連項目

元号一覧 (中国)


赤烏の時代は、呉において重要な転換期であり、皇位継承を巡る争いなど、様々な出来事が起こりました。この元号は、中国の歴史と文化を理解する上で重要な要素の一つと言えるでしょう。

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