赤窓

赤窓（あかまど）とは

赤窓とは、主に裏紙付きフィルムを使用するカメラに設けられた、撮影コマ数を確認するための小窓のことです。この窓を通して裏紙に印刷された数字を確認することで、フィルムの巻き上げ具合を把握します。

赤窓の概要

赤窓は、120フィルム、127フィルム、828フィルム、ボルタフィルムなど、裏紙付きのフィルムを使用するカメラに搭載されています。その名の通り、赤色のものが一般的ですが、橙色や暗緑色のものも存在します。初期のフィルムが赤い光に感光しにくい特性を利用し、赤色が安全色として採用されました。しかし、現在のフィルムは感光度が高いため、赤窓から光が漏れるとフィルムが感光するリスクがあります。そのため、赤窓を確認する際は直射日光を避けたり、赤窓カバーがない機種ではテープなどで遮光するなど、注意が必要です。

赤窓の機能

赤窓は単なるフィルムカウンターではなく、フィルムの巻き上げ機構の一部としても機能します。赤窓式カメラには、自動的にフィルムを巻き上げる機能がないため、撮影者は赤窓を見ながら手動でフィルムを巻き上げ、裏紙の数字が赤窓の中心にきたところで巻き上げを停止する必要があります。巻き上げすぎてしまった場合、フィルムを取り出すまで巻き戻すことはできません。120フィルムの場合、現在では6×9cm判、6×6cm判、6×4.5cm判用のコマ数が印刷されています。

フィルムフォーマットと赤窓

使用するフィルムフォーマットによって、赤窓の位置や数が異なります。複数のフォーマットに対応したカメラでは、複数の赤窓が設けられていることがあります。また、220フィルムは裏紙がないため、120フィルム用の赤窓式カメラでは使用できません。110フィルムや126フィルムを使用するカメラにも裏紙直読窓がありますが、これらは無色であり、一般的に赤窓とは呼ばれません。

120フィルムにおける特殊な送り方

120フィルムは、もともと6×9cm判で8枚撮影できるフィルムとして設計されました。当初は6×9cm判用の番号しか印刷されていませんでしたが、1933年頃から6×6判用の番号も印刷されるようになりました。しかし、初期のカメラでは、装填時に1コマ目を出すためだけに使われ、あとは決められた量を巻き上げて自動で停止する機構が搭載されていました。また、6×9cm判用の番号を他のフォーマットに流用するために、特殊な巻き上げ方法が採用されているカメラもあります。

6×4.5cm判カメラの場合

6×4.5cm判のカメラでは、通常2つの赤窓が設けられており、以下のようにして16枚撮影します。

1. 送出軸側の窓に1を表示
2. 巻取軸側の窓に1を表示
3. 送出軸側の窓に2を表示
4. 巻取軸側の窓に2を表示
5. 送出軸側の窓に3を表示
6. 巻取軸側の窓に3を表示
7. 送出軸側の窓に4を表示
8. 巻取軸側の窓に4を表示
9. 送出軸側の窓に5を表示
10. 巻取軸側の窓に5を表示
11. 送出軸側の窓に6を表示
12. 巻取軸側の窓に6を表示
13. 送出軸側の窓に7を表示
14. 巻取軸側の窓に7を表示
15. 送出軸側の窓に8を表示
16. 巻取軸側の窓に8を表示

6×6cm判カメラの場合

6×6cm判のカメラでは、通常3つの赤窓が設けられており、以下のようにして12枚撮影します。

1. 送出軸側窓に1を表示
2. 巻取軸側窓に1を表示
3. 中央窓に2を表示
4. 送出軸側窓に3を表示
5. 巻取軸側窓に3を表示
6. 中央窓に4を表示
7. 送出軸側窓に5を表示
8. 巻取軸側窓に5を表示
9. 中央窓に6を表示
10. 送出軸側窓に7を表示
11. 巻取軸側窓に7を表示
12. 中央窓に8を表示

特殊なフォーマットの例

特殊なフォーマットのカメラでは、他の判用の番号を流用することがあります。例えば、富山製作所のカメラでは、6×12cm判は6×6cm判用の番号を使用し、「2」「4」「6」「8」「10」「12」で6枚撮影します。また、6×17cm判は6×6cm判用の番号を使用し、「3」「6」「9」「12」で4枚撮影します。

注意点

赤窓はフィルムの感光を防ぐために、通常は赤色に着色されていますが、フィルムの感光度が高い現代においては、赤窓からの光漏れによる感光のリスクがあります。そのため、直射日光下での赤窓の確認は避け、必要時以外はテープなどで遮光するようにしましょう。

まとめ

赤窓は、フィルムカメラの歴史を語る上で欠かせない要素の一つです。その構造は単純ですが、フィルムの巻き上げとコマ送りのメカニズムを理解する上で重要な役割を果たしています。赤窓式カメラを使用する際は、上記に注意して、フィルムの感光を防ぎながら撮影を楽しみましょう。

出典

参考文献

『クラシックカメラ専科』朝日ソノラマ
『クラシックカメラ専科No.11、コレクターズ情報満載』朝日ソノラマ

もう一度検索