赤羽別院親宣寺

赤羽別院親宣寺について

赤羽別院親宣寺（あかばねべついんしんせんじ）は、愛知県西尾市一色町赤羽にある真宗大谷派の寺院で、この宗派の別院として位置づけられています。寺院の本山は真宗本廟、つまり東本願寺であり、本尊は阿弥陀如来です。また、山号は本目山（ほんもくざん）で、地元では「赤羽御坊（あかばねごぼう）」として親しまれ、「御坊さん（ごぼさん）」と呼ばれることもあります。

沿革

この寺院の歴史は、室町時代の15世紀中頃にさかのぼります。この時期、本願寺第八代の蓮如によって、赤羽根城の近くに念仏道場が開設されました。しかし、約250年後にはその道場は跡地を残すのみとなりました。この頃、江戸時代の初期に登場する本目勝左衛門親宣がこの道場を再興し、両親と彼自身の菩提寺としたことが赤羽別院の起源とされています。

元禄13年（1700年）、西尾藩主土井利忠から赤羽根城跡の2950坪の土地が与えられ、一隅に寺が建立されました。すると翌年には、東本願寺第17代の真如より本山直末として「本目山親宣寺」の寺号および山号が授与されました。また、絵像本尊も同時に贈られました。更には、明和3年（1766年）には親鸞御影が授与され、天明2年（1782年）には太子・七高僧御影も授与されています。このように、赤羽別院は次第に重要な位置を確立していきました。

寛政10年（1798年）には、正式に東本願寺の掛所（別院）となり、輪番制が導入されました。その後も、文政5年（1822年）には庫裏が新設され、さらに文政7年（1824年）には三河随一の巨大な本堂が再興されるなど、寺院の規模が拡大しました。江戸末期から大正時代にかけては、講堂や対面所を含む約20の建物が建立されました。

1887年には特に由緒ある寺院として「別格別院」としての指定を受け、この年、東本願寺第22代の現如が三河巡化の際に赤羽別院に宿泊したことも記録に残っています。

しかし、寺院の歴史は災害にも見舞われました。1936年（昭和11年）には、東本願寺第23代の彰如が法要を執り行いましたが、1945年1月13日の三河地震によって多くの建物が倒壊するという大惨事が発生しました。その後も伊勢湾台風などの自然災害に見舞われ、特に1959年には本堂が倒壊しました。

それでも赤羽別院は再興の道を歩み続け、1963年に鐘楼と梵鐘が寄進によって再建され、1995年には「お御堂」（本堂）が完成し、庫裏なども修復されました。これにより、落慶法要が行われ、多くの信者が集まりました。

現在の境内

赤羽別院親宣寺の境内には本堂、山門、鐘楼、庫裏、書院などの建物が見られます。また、高須治兵衛翁旧里碑は、ここに由来を持つ著名な人物の痕跡を示しており、赤羽根古城跡も史跡として存在します。

交通アクセス

この寺院へのアクセスは非常に便利で、ふれんどバスの「一色高校西」停留所から徒歩およそ5分の距離に位置しています。赤羽別院親宣寺は歴史と文化が融合する魅力的なスポットであり、多くの人々が訪れる場所となっています。

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