赤色労働組合インターナショナル

赤色労働組合インターナショナル（プロフィンテルン）

赤色労働組合インターナショナル、通称プロフィンテルンは、1921年にコミンテルンの支持のもとに創設された国際的な労働組織です。その設立は、ソビエト・ロシア、イタリア、スペイン、ブルガリア、ユーゴスラビアの代表団が集まったコミンテルン第2回大会で宣言され、革命的な労働組合の国際組織を形成するという目標が掲げられました。

設立の背景と目的

プロフィンテルンの設立は、当時のアムステルダム・インターナショナルとは異なる立場を築くための試みでした。約800万の組織労働者を代表すると自負し、国際労働組合評議会（メジソヴプロフ）を主導しました。彼らの主な使命は、「赤色労働組合の国際大会」を開催し、労働運動の国際的な運動を推進することでした。この新たな組織の初代議長にはソロモン・ロゾフスキーが就任し、活動の初期からコミンテルンに強く依存する形で進められました。

活動には、各国の労働組合をアムステルダム・インターナショナルから分断するための「宣伝局」の設置が含まれており、それによりモスクワへの忠誠を強化することを図っていました。しかし、この取り組みは特にイギリスやドイツにおいて批判を受けました。

創立大会と活動の展開

1921年7月にモスクワで開かれた創立大会には、41ヵ国から380人の代議員が参加しました。彼らは全世界で約4000万人の労働組合員のうち1700万人を代表するとして、アムステルダム・インターナショナルの「曖昧なブルジョア的綱領」に対抗し、より明確な革命的行動綱領を持つことを宣言しました。大会には日本や中国、朝鮮、インドネシアからも代議員が参加し、プロフィンテルンへの加盟を促しました。これは、主にヨーロッパの労働者に限られていたアムステルダムとは異なる国際的な視野を持っていたことを示しています。

1927年には漢口での会議を経て、上海に極東支部を設立し、さらに活動を広げました。しかし、1922年に行われた第2回大会では、アムステルダム・インターナショナルとの「統一戦線」の呼びかけが無視され、ヨーロッパでの組織力が後退していく中で、極東での宣伝活動が重要性を増すことが顕現しました。

組織の衰退と最終的な解散

以降、プロフィンテルンは改良主義的な組合との妥協を許さない姿勢を強めることで、多くの基盤を失いました。1930年に開催された第5回大会では、新たな組織の方向性や条件についての明確な議論が行えず、既存のスローガンを繰り返すに留まりました。特に日本共産党に対する指示である31年テーゼは成果を生まず、直ちに廃棄されました。

1935年には新たな方針に基づく「労働組合内部での広範な活動」を模索するも、批判を浴びる結果となり、1938年には正式に解散を決定しました。

貢献と評価

プロフィンテルンは、その活動を通じてアジア、アフリカ、ラテン・アメリカなどの植民地および反植民地労働組合運動の発展に寄与しました。特に職業別組織から産業別組織への運動の転換や、新たなストライキ戦術の開発は、世界の労働組合運動における重要な成果とされています。機関誌『赤色労働組合インターナショナル』を通じて、活動の記録を残し、国内外の労働運動に影響を与え続けました。

日本からは日本労働組合評議会と日本労働組合全国協議会が加盟し、第5回大会には多くの著名な労働運動家が出席しました。特に、蔵原惟人は文化活動への提案を行い、その後の日本プロレタリア文化連盟の設立に寄与しました。

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