走水奉行

走水奉行について

走水奉行は、江戸時代に東京湾（当時の江戸湾・内海）における水上交通の要所であった走水（現在の神奈川県横須賀市）を管轄した江戸幕府の遠国奉行です。

概要

徳川家康が江戸城に移って以来、三崎には御舟手衆が置かれ、徳川水軍を管理していました。元和元年（1615年）には、向井忠勝が三崎における責任者に任命され、寛永元年（1624年）には御舟手衆のまま三崎御番に任じられ、寛永9年（1632年）には走水御番も兼務しました。忠勝の子である忠宗が亡くなると、正保2年9月23日（1645年11月11日）に田村長衞が走水に配置され、同日、安部正成が三崎に配置されました。彼らはそれぞれ役料1000石と、配下として与力5騎・同心30名を授けられました。ただし、役料については寛文年間以降とする説もあります。これが走水奉行および三崎奉行の起源です。

走水奉行は、下田奉行と連携して、江戸から出る船舶の監視・取り締まりを行いました。一方、江戸に入る船舶の監視・取り締まりは三崎奉行が担当しました。

元禄9年2月21日（1696年3月24日）には、走水奉行の青山幸高と三崎奉行の根来長時がともに役御免となり、両奉行は廃止されました。配下の与力・同心の一部は新居奉行に移されました。

参考文献

渡辺和敏「走水奉行」（『国史大辞典 15』吉川弘文館、1996年）
神谷大介「走水奉行」（『江戸幕府大事典』吉川弘文館、2009年）

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