超時空シリーズ

「超時空シリーズ」は、1982年10月から1984年9月にかけて毎日放送（MBS）を製作局とし、TBS系列で放映されたテレビアニメシリーズの総称です。広告代理店ビックウエストが中心となって製作されました。

概要

日曜13時30分からの1時間枠「サンデーアニメプレゼント」の後半番組としてスタートしました。各作品のタイトルに「超時空」の冠が付くことから、この名で呼ばれています。物語や世界観はそれぞれ独立しており、一部の例外を除いて関連性はありません。制作体制も作品ごとに異なり、共通点は以下の通りです。

毎日放送とビックウエストが手がけたSF戦争アニメであること
毎週日曜日午後2時からの30分枠で放送されたこと
変形ロボット兵器が主役メカニックであること
各話サブタイトルのほとんどが英語題の片仮名表記であること

主役メカがガウォークと呼ばれる中間形態を持つことから、「ガウォークシリーズ」という俗称もあります。

『マクロス』はスタジオぬえ（協力アートランド）のオリジナル企画を毎日放送とビックウエストが採用し、タツノコプロ（アニメフレンド）が制作しました。好評を博したことから、制作会社を東京ムービー新社に変更して後番組『オーガス』が放送されました。この2作品はメインスタッフの多くが続けて参加しており、シリーズとして語られることもあります。

『オーガス』は、前作から一転して異世界風メカをメインに据えましたが、デザインがリアル路線からかけ離れていたため、玩具購買層には受け入れられず、人気は低迷しました。その後、『超時空要塞マクロス愛・おぼえていますか』の制作のため、スタジオぬえ（アートランド）が撤退しました。

『マクロス』と『オーガス』にはそれぞれ続編が存在しますが、これらは「マクロスシリーズ」「オーガスシリーズ」として区別され、「超時空シリーズ」には含まれません。

3作目の『超時空騎団サザンクロス』はスタッフを総入れ替えして再びタツノコプロ（アニメフレンド）が制作しましたが、人気はさらに低迷し、第2クール途中で打ち切られました。「超時空シリーズ」は2年で幕を閉じることになりました。

『メガゾーン23』との関連

オリジナル・ビデオ・アニメーション (OVA) 『メガゾーン23』の第1作（『PART I』）は、企画時の仮題が「オメガシティ23」で、その後「バニティ・シティ」というタイトルで2クール（6ヶ月）のテレビシリーズとして企画されていました。同作品の総監督、石黒昇は当初、この作品を第4作目の「超時空シリーズ」として提案したそうです。しかし、スポンサーの都合によりテレビシリーズとしての企画は立ち消えとなり、OVAとして企画・発売されることになりました。その際、「オメガゾーン23」というタイトルに変更されましたが、「オメガ」（Ω）がスイスの高級腕時計メーカー、オメガの商標権と抵触する可能性があったため、『メガゾーン23』として発売されました。

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1980年代初頭、『機動戦士ガンダム』関連のキャラクター商品人気（ガンプラブーム）を追いかけるように、他の玩具・模型メーカーもロボットアニメの商品化に乗り出していました。『マクロス』と『オーガス』の2作品は、玩具のタカトクトイス、模型の今井科学（イマイ）・有井製作所（アリイ）がスポンサーになるという珍しい形態を取り、放送開始前から商品を発売するなど積極的な展開が行われました。

『マクロス』は可変戦闘機バルキリーの斬新なデザインが受け、玩具・模型ともに好調なセールスを記録しました。日曜午後2時の放送枠で視聴率は高くありませんでしたが、シリーズが続いた背景には、『マクロス』から生まれた変形ロボットブームに期待するスポンサーの後押しがありました。その後、『サザンクロス』では玩具スポンサーがバンダイに交代しました（ただし、何も発売していません）。模型ではイマイ、アリイの陣営にエルエスも参入し、『超攻速ガルビオン』などの他作品でも共同でラインナップを展開しました。

しかし、バルキリーほどのヒットは再現できず、展開を拡げすぎた各社は業績が悪化しました。タカトクトイスは同時期に放送された『イタダキマン』が低視聴率で打ち切られたところに『オーガス』の不振が追い打ちをかけた格好で1984年5月に倒産。今井科学も1985年に経営危機から『マクロス』関連の金型をバンダイに譲り、2002年に会社解散に至りました。

「超時空シリーズ」はスポンサーの意気込みによって継続されましたが、皮肉にもスポンサー各社の命運を左右することになりました。

海外への輸出

『超時空要塞マクロス』（初代テレビシリーズ全36話のみ。『超時空要塞マクロス愛・おぼえていますか』や、のちの「マクロスシリーズ」は除く）と『超時空騎団サザンクロス』は、同じく竜の子プロダクションが制作した『機甲創世記モスピーダ』と合わせて、アメリカ合衆国のハーモニーゴールド USA社へライセンス販売されました。3作まとめて『Robotech（ロボテック）』という作品名でテレビ放送され、海外で日本製アニメが注目される契機となる人気作品となりました。

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