越後街道 (会津街道)

会津街道：歴史と変遷を辿る道

会津街道は、かつて陸奥国の会津若松と越後国の新発田を結んでいた重要な街道です。越後側からは会津街道、会津側からは越後街道とも呼ばれ、現代では国道49号の一部区間としてその名残をとどめています。

街道の概要

江戸時代、新発田藩や村上藩が参勤交代に利用した会津街道は、会津五街道の一つとして、海産物や米などの物資輸送を担いました。また、佐渡三道の一部としても機能していました。

経路

福島県内

会津若松市中心部から七日町、神指町を経由し、阿賀川を渡ります。その後、会津坂下町を経由し、鐘撞堂峠を越えて只見川を渡ります。束松峠、青坂峠を経て、西会津町野沢地区に至り、車峠を越えて県境の鳥井峠へと向かいます。

新潟県内

鳥井峠を越えると、東蒲原郡阿賀町津川地区に入ります。阿賀野川を渡り、諏訪峠を経て、新発田市へと至ります。

経路の変更

1611年の会津地震以前は、現在の喜多方市高郷地区付近を経由していました。

宿場

会津街道には、以下の宿場が設けられていました。

会津若松（福島県会津若松市）
坂下宿（福島県河沼郡会津坂下町）
塔寺宿（福島県河沼郡会津坂下町）
気多宮宿（福島県河沼郡会津坂下町）
片門宿（福島県河沼郡会津坂下町）
本名宿（福島県河沼郡会津坂下町）
野沢宿（福島県耶麻郡西会津町）
上野尻宿（福島県耶麻郡西会津町）
津川宿（新潟県東蒲原郡阿賀町）
綱木宿（新潟県東蒲原郡阿賀町）
赤谷宿（新潟県新発田市）
山内宿（新潟県新発田市）
新発田（新潟県新発田市）

主な峠

会津街道には、以下の峠が存在しました。

鐘撞堂峠
束松峠
青坂峠
車峠
鳥井峠
惣座峠
諏訪峠

現代の会津街道

現在、国道49号の会津若松市から新潟方面への区間は、越後街道として知られています。新潟県側からは若松街道と呼ばれることもあります。また、郡山市付近から新潟方面への広範囲な区間も越後街道と呼ばれることがあります。

江戸時代と現代の違い

江戸時代の会津街道と現代の国道49号には、いくつかの違いがあります。江戸時代の目的地は新発田でしたが、現在の国道49号は新潟市を目指しています。また、阿賀町津川地区以西の経路も異なっています。

会津地震以前には、勝負沢ルートが利用されていましたが、地震による山崎新湖の出現により通行不能となり、坂下宿 - 塔寺宿 - 鐘衝堂峠 - 束松峠経由に変更されました。明治時代には、三島通庸による会津三方道路の事業で越後街道の改良が行われましたが、束松峠付近では藤峠を通るルートに変更されました。現在の国道も藤峠を経由しています。昭和40年代以降も道路改良が行われ、磐越自動車道が開通するなど、交通事情は大きく変化しています。

津川地区以西の新発田までの区間は、諏訪峠越えの区間を除き、新潟県道14号新発田津川線がほぼ近い経路となっています。

会津街道は、時代の変化とともに姿を変えながらも、会津と越後を結ぶ重要な道として、その歴史を今に伝えています。

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