越智彦四郎

越智 彦四郎の生涯と業績

越智 彦四郎（おち ひこしろう）は、1849年11月26日に生まれ、明治10年の1877年5月1日に命を終えた幕末の著名な福岡藩士であり、勤皇家、また自由民権運動の活動家として知られる人物です。生まれは福岡藩士・井土佐平太の次男で、藩校である修猷館に学びました。維新後には分家し、越智姓を名乗ることになります。

越智は戊辰戦争において福岡藩軍に属し、大砲隊長の根本源五左衛門のもとで東北地方に転戦しました。この戦争での功績により、彼は賞典禄を受けることができました。その後、高場乱の興志塾で学ぶことで多くの同志と出会い、その中には後に玄洋社を設立する人物たちが含まれています。

1874年2月、佐賀の乱が勃発し、越智は博多に来ていた内務卿の大久保利通と面会し、彼に調停を申し出ました。しかし、逆に大久保と児玉源太郎から鎮撫行動を要請され、彼は政府軍の鎮撫隊の小隊長として佐賀に入ります。最初は叛乱軍側に寝返る計画を立てていましたが、政府軍に支給された銃と弾薬の口径の違いにより、彼の計画は失敗に終わりました。

佐賀の乱が鎮圧された後、越智は熊本や鹿児島へ訪問し、志を同じくする者たちとの意見交換を行いました。この結果、彼は第二維新を目指す政治結社「強忍社」を結成します。このグループには久光忍太郎や舌間慎吾など、様々な活動的な人物が参加していました。

1875年2月、彼は民権の確立を目指す「愛国社」の創立集会に参加し、福岡の代表として活躍しました。これは板垣退助が主唱する土佐立志社の呼びかけに応じたものであり、越智の民権運動への情熱が伺えます。

そして1877年3月、西南戦争が始まり、西郷軍が熊本城を攻囲すると、越智は武部小四郎や平岡浩太郎と共に西郷軍に呼応する軍を編成し、福岡城を攻撃しましたが、これもまた敗北を喫してしまいます。その後、さらに南下し西郷軍と合流しようとしますが、秋月での戦闘で政府軍に大きな打撃を受けることになりました。彼は同志の自決を止められながらも、豊前や日向を経て鹿児島を目指しました。しかし、4月5日に捕らえられ、その後、福岡の獄で斬刑に処されてしまいました。享年は27歳でした。

彼の辞世の句には「咲かで散る花のためしにならふ身はいつしか誠の實を結ぶらん」とあり、彼の信念や死の運命に対する無念さが込められています。越智博四郎の存在は、幕末から明治にかけての激動の時代において、自由と権利を求める人々の象徴とも言えるでしょう。

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