越路野村

越路野村の概要

越路野村（こしじのむら）は、かつて石川県羽咋郡に存在した村で、独特の歴史と地理的特性を持っていました。村の名称の由来は、大伴家持がこの地で詠んだ和歌「越路野を さし出見れば 邑知潟 気高く見ゆる」であり、彼の詩が地域の豊かさを示す重要な要素となっています。越路は、中国地方へ向かう道中に位置することから名付けられました。

地理

現在の羽咋市北部にあたる越路野村は、北側には眉丈山系の丘陵が広がり、南側は邑知潟に接しています。この村の発展には、邑知潟の水運が大きく寄与しており、当初は重要な交通路となっていました。また、村を流れる羽咋川もこの地域において重要な水源となっていました。

歴史

越路野村の歴史は、明治時代の町村制施行により始まります。1889年4月1日、羽咋郡の柳田村と千路村が廃止され、これらの区画を基に越路野村が設立されました。村は、地域の中で重要な役割を果たしつつ、多くの変化を経験しました。

1898年には、七尾鉄道（現在の七尾線）が開通し、村内に千路駅が開業しました。これにより交通の便も改善され、村の発展に寄与しました。さらに、1933年には石川県による邑知潟干拓工事が始まり、1935年に完成。約35町歩の土地が越路野村に分配され、農業や居住地として利用されるようになりました。

1954年11月3日、羽咋郡の複数の村（羽咋町、千里浜村、粟ノ保村、富永村、一ノ宮村、越路野村、上甘田村）が統合され、羽咋町が設立されました。この時、越路野村の二つの大字は新たにできた羽咋町の大字に引き継がれました。さらに、1958年7月1日には羽咋町が羽咋市に改称され、越路野村の名は地域の歴史の中に埋もれていくこととなります。

教育

越路野村には越路野小学校が存在し、地域の教育の中心として機能していました。2006年4月には、羽咋町立、羽咋市立を経て、鹿島路小学校や富永小学校と統合され、羽咋市立瑞穂小学校へと変貌を遂げました。

交通

越路野村の交通の要所には、国鉄七尾線の千路駅がありました。この駅は地域住民にとっての重要な交通手段であり、村の発展に貢献しました。

参考文献

この村の詳細な情報は、角川日本地名大辞典・石川県に記載されています。越路野村は、石川県における廃止市町村の一つとしてその歴史に名を刻んでいます。石川県の廃止市町村一覧や、関連する越路町（石川県）の情報もあわせて参照することで、より深く地域の歴史を知ることができるでしょう。

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