趙伯超

趙伯超の生涯と軍歴

趙伯超（ちょう はくちょう、生年不詳 - 552年）は、南朝梁における著名な軍人であり、その戦歴は複雑な歴史の中で展開された。彼は特に侯景の乱に参加し、その過程で様々な運命を辿ることとなる。彼の父親は趙革とされ、若い頃から軍に身を投じていた。

初期の経歴と戦闘

普通8年（527年）、趙伯超は韋放の指揮のもと、渦陽で北魏の常山王元昭らとの戦闘に参加する。この戦闘では、彼が指揮を執り、敵に勝利を収めたことが記録されている。この成功によって、趙伯超は名声を高め、後に譙州刺史に任じられることになる。

侯景の乱への参加

太清2年（548年）8月、侯景の乱が勃発。趙伯超はその混乱に巻き込まれ、11月には建康の援軍として邵陵王蕭綸の指揮下に入る。そして鍾山愛敬寺に駐屯し、さらに玄武湖の北へと進軍したが、彼は消極的な姿勢を見せ、結果として侯景軍に敗北してしまう。

降伏と後の活動

太清3年（549年）3月には建康が陥落し、趙伯超は侯景に降伏する。この降伏は彼の後の運命を大きく変えることになる。彼は降伏後、12月に宋子仙や劉神茂らと共に会稽を攻め、成功を収めた。

大宝元年（550年）12月、張彪が会稽で反乱を起こし、趙伯超は田遷や謝答仁と共に東征を行った。彼らは連合して張彪を討ち、さらに太始元年（551年）11月には東道行台として銭塘に駐屯した。

侯景の逃亡と趙伯超の最後

太始2年（552年）3月、侯景が建康を捨てて逃亡する事態が発生する。王僧弁は侯瑱を派遣し、侯景を追撃したが、趙伯超は銭塘を拠点に逃亡を阻止した。侯景は無理矢理呉郡へと戻り、逃げようとするも、最終的には部下に殺されることとなった。

趙伯超はその後、侯瑱に降伏し、建康で王僧弁との対面を果たす際に質問を受ける。「国の重恩を担いながら反逆に加担したのか」と問われた彼は、「当今に禍福あり、恩は明公にあり」と返答した。このやりとりは彼の心情を表している。

結末

趙伯超はその後江陵の獄中で餓死してしまう。その死は、彼の人生の終焉を意味し、彼の行動と選択がどのような結果をもたらしたのかを考えさせるものである。彼の複雑な経歴は、中国の歴史において重要な意味を持っており、戦乱の時代における個人の選択の苦悩を象徴していると言える。

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