足和田村

足和田村の概略

足和田村（あしわだむら）は、かつて山梨県にあった村で、2003年11月15日に河口湖町および勝山村と合併し、富士河口湖町の足和田地区となりました。この村は、郡内地方の南都留郡に位置し、地元の歴史や文化を象徴する重要な地域でした。

地理的特徴

足和田村は県南部、特に郡西部に位置しており、村の中心には富士五湖の一つ、西湖が存在していました。湖の東側には河口湖の西部（奥河口湖）が広がっていました。自然環境は多様で、青木が原には西湖蝙蝠穴や竜宮洞穴といった国の天然記念物があり、自然保護活動も行われていました。これらの地質学的特性は観光資源となり、地域の経済に寄与していました。

歴史的背景

中世には、甲斐源氏の一族が通過した「若彦路」と呼ばれるルートが足和田村を通っていました。このルートは、大石峠から富士の北麓を経て大石へ至るものであり、歴史的な交通路として重要視されていました。村の生業は、明治時代まで主に養蚕業であったほか、郡内の織物生産や、馬鈴薯、トウモロコシの畑作も盛んに行われていました。また、富士山の入会地での資源開発も行われ、様々な産業が地域経済を支えていました。

1913年には西湖の水資源が注目され、ヒメマスが放流され、その後、河口湖との標高差を利用した発電も行われました。戦後は観光産業への移行が進み、多くの観光客を集める地域へと変化していきました。ただ、1966年には大きな自然災害が発生し、台風26号による土石流が村に壊滅的な被害をもたらしました。この災害では根場や西湖で多くの犠牲者が出ました。

このような背景の中、根場集落は集団移転を余儀なくされましたが、その跡地には2006年に「西湖いやしの里根場」として、茅葺屋根の家屋が保存され、野外博物館として整備されました。

沿革と村の変遷

足和田村は、1955年4月10日に西浜村と大嵐村が合併して誕生しました。2003年11月15日、河口湖町と勝山村との合併により富士河口湖町が誕生し、足和田村は正式に廃止されました。この村の歴史は、地域の発展や変遷を語る重要な事例となっており、廃止された市町村の中でも特に注目される存在です。

また、1977年に公開された映画『恐竜・怪鳥の伝説』では、足和田村が撮影協力を行い、村の風景が映し出されるなど、文化的な側面でも貴重な役割を果たしていました。足和田村は、豊かな自然と歴史的背景を持つ地域として、今も多くの人々の記憶に残っています。

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