足立基浩

足立 基浩

足立基浩氏（あだち もとひろ）は、1968年10月29日生まれの日本の経済学者です。現在、和歌山大学経済学部の教授および副学長を務めており、専門分野はまちづくり論と環境政策です。東京都出身。

経歴と学問的背景

その学歴と経歴は多様です。1992年に慶應義塾大学経済学部を卒業した後、一度は朝日新聞社に記者として入社しました。しかし、翌1993年には同社を退職し、イギリスのケンブリッジ大学へ留学。そこで修士号（M.Phil.）を取得しました。帰国後、1996年に和歌山大学経済学部の助手に着任。助教授を経て、2010年4月からは教授として教育・研究活動に携わっています。さらに、2001年には、ケンブリッジ大学大学院土地経済学研究科にて、経済政策に関する博士号（Ph.D.）を取得するなど、学問的な研鑽を積んでいます。

研究活動と地域への貢献

足立氏の研究者としての主要な関心分野は、地域社会の再生、都市の活性化、そして街づくりに関するものです。これらのテーマを深く掘り下げるため、日本国内の約300ヶ所および海外約15ヶ国での広範な現地調査を実施。経済学や経営学の理論を実際の地域社会の現場に応用することを目指し、日本全国の街の活性化に向けた幅広い活動を展開しています。特に、和歌山大学の助教授時代にあたる2005年からは、地元和歌山市の中心市街地活性化に注力。自身のゼミの学生や地域住民と連携し、中心街にある「ぶらくり丁商店街」で、オープンカフェやレンタルカフェといった具体的な事業を展開し、継続的な地域再生の取り組みを推進しています。現在、大学では評議員としての役割も兼務しています。

メディアでの活動

学術的な活動に加え、足立氏はその専門知識や地域に対する洞察を広く社会に伝えるため、メディアでも積極的に活動しています。吉本興業とマネジメント契約を結んでおり、テレビやラジオの多くの番組に出演。コメンテーターとして、経済や地域問題、時事問題など多岐にわたるテーマについて解説を行っています。特に、自身の専門である街おこしや商店街に関する話題では、深い知見に基づいたコメントを寄せたり、自身の地域活動について情報提供したりしています。主な出演番組には、以下のものがあります。

『@あっと!テレわか NEWSスタイル』（テレビ和歌山）
『ちちんぷいぷい』（MBSテレビ）
『あさパラ』（読売テレビ）
『ブラマヨ弾話室〜ニッポン、どうかしてるぜ!〜』（BSフジ）
『朝生ワイド す・またん!』（読売テレビ）
『かんさい情報ネットten.』（読売テレビ）
『経済ジャーナル』（和歌山放送）

特に読売テレビの『朝生ワイド す・またん!』には、ジャーナリストである実姉の足立真理氏も出演していますが、これまでに姉弟が同時に番組に出演した例はありません。

親族

足立氏の親族には歴史的な人物も含まれます。第42代内閣総理大臣を務めた鈴木貫太郎は、足立氏の曽祖父にあたります。また、ジャーナリストとして活躍する足立真理氏は実姉です。さらに、関西地方を中心に活躍するフリーアナウンサーの川田裕美氏は、足立氏が和歌山大学で教鞭をとっていた頃の教え子です。

主な著作

専門分野であるまちづくりや地域経済に関する多数の著作を発表しています。代表的なものには、以下のような書籍があります。

単著
『まちづくりの個性と価値――センチメンタル価値とオプション価値』（日本経済評論社、2009年）
『シャッター通り再生計画――明日からはじめる活性化の極意』（ミネルヴァ書房、2010年）
『イギリスに学ぶ商店街再生計画―「シャッター通り」を変えるためのヒント』（ミネルヴァ書房、2013年）
『新型コロナとまちづくり――リスク管理型エリアマネジメント戦略』（晃洋書房、2021年）
共著
『令和時代に求められるエリアマネジメントの役割 ~関西からの情報発信~』（パレード、2020年）
『まちづくりの統計学 政策づくりのためのデータの見方・使い方』（学芸出版社、2022年）
編著
* 『住宅問題と市場・政策』（日本経済評論社、2000年）（大泉英次、橋本卓爾、山田良治と共編著）

これらの著作を通じて、自身の研究成果や地域活性化の実践的な知見を広く社会に提供しています。

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