足立正 (教育者)
足立 正（あだち せい）
足立正は1865年2月5日に伯耆国会見郡上道村（現在の鳥取県境港市上道町）で生まれました。父は村の公共の役割を担う助役、収入役、村会議員などを務めた足立国五郎です。足立は1877年に松江師範学校に入学し、1881年に卒業して教育者の道を歩み始めます。
教育者としての活動
卒業後、上道小学校で教員としてのキャリアをスタートし、1888年からは上道の弓浜高等小学校に12年間在籍しました。1900年には西伯郡淀江町今津の養良高等小学校の校長に就任し、以降20年以上にわたりこの職にありました。彼の功績の一つとして、1903年に文化教育の強化を目指して設立された養良農業補習学校で授業を行ったことがあり、これにより表彰を受けるなど、その教育手腕が高く評価されました。
郷土史家としての貢献
教育者としての活動とは別に、足立正は山陰地方の歴史や考古学に強く興味を持ち、余暇を利用して研究を重ねました。1901年には考古学者坪井正五郎と共に天神垣神社境内にある石馬（後の国の重要文化財、石馬谷古墳）の調査を行い、貴重な考古資料を収集しました。この収集物は、足立が自身で設立した山陰徴古館に収蔵され、広く公開されました。
他にも足立は、考古学や歴史に関する編著書を持ち、著作には小松原真琴との共著による『山陰古代史』や、単著による『宇田川村史』、『鳥取県郷土史』、『米子市史』などがあります。これらの作品は、彼の郷土に対する深い愛情や研究態度を示すものであり、今後も地域の歴史を知るための重要な資料として位置づけられています。
政治活動と晩年
1929年から1934年にかけては、第12代境町長を務め、地域組織の発展や文化振興に尽力しました。1939年には米子市立山陰歴史館の館長に就任し、館の運営に携わりつつ、地域の歴史を広める活動を続けました。彼の功績は教育分野に留まらず、地域社会全体に広がっています。
足立正は1947年10月29日に亡くなりましたが、彼の教育および歴史研究に対する情熱は、今もなお地域の歴史や文化に影響を与え続けています。彼の足跡を辿ることで、現代に生きる私たちも彼の思いを継承し、地域社会の発展に寄与することが求められています。
参考文献
関連項目
外部リンク
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