足立篤郎

足立篤郎：日本の政治家の軌跡

足立篤郎（あだち とくろう、1910年7月22日 - 1988年8月14日）は、昭和時代における日本の著名な政治家であり、長きにわたり国政に寄与しました。静岡県の周智郡山梨村（今の袋井市）で生まれた彼は、後に掛川中学校及び旧制静岡高等学校を経て、1934年に京都帝国大学法学部を卒業し、南満洲鉄道に入社しました。

早期の政治キャリア

戦後、足立は静岡県農業共済組合連合会の会長を務めるなど、地域の農業政策に携わります。そして1949年には第24回衆議院議員総選挙で吉田茂率いる民主自由党公認で旧静岡3区から立候補し、見事に初当選を果たしました。以降、彼は衆議院議員として12回の当選を重ね、日本の国政に深く関与していくことになります。

自民党では、佐藤栄作派および田中角栄派に所属し、大蔵政務次官や衆議院大蔵委員長などの重要な役職を歴任しました。そして1972年には第1次田中角栄内閣で農林大臣を、1974年には第2次田中角栄第2次改造内閣で科学技術庁長官として入閣することになります。

個性とエピソード

足立の大柄な体形から「殿様ガエル」というニックネームがつけられ、その気さくでおおらかな人柄は多くの人に親しまれました。特に1972年の自民党総裁選では、角福戦争で激しい動きがあった中、選挙管理委員として田中の勝利を示唆するOKサインを壇上で示し、視聴者を驚かせるエピソードが記憶に残っています。

彼は1984年の秋に勲一等旭日大綬章を受章し、その功績が評価されました。また1985年には竹下登が田中派内部で「創政会」を結成した際、足立はその最高顧問として参加しました。引退を表明していたものの、当時の後輩たちを激励したという姿勢は、彼の人柄を物語っています。

引退と晩年

1986年に政界を引退した足立は、1988年に78歳で死去しました。彼の死後、正三位に叙され、その遺志により遺体は医学発展のために献体されたことが伝えられています。足立篤郎の生涯は、日本の政治の中で数々の変遷を経ながらも、彼の信念と人間性が色濃く反映されたものでした。

彼の業績は後世に引き継がれ、多くの政治家や国民に影響を与えました。足立の歩みは、日本の戦後の政治の歴史において特筆すべきものであり、その功績は今もなお語り継がれています。

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