身延別院

身延別院（みのぶべついん）の概要

身延別院は、東京都中央区に位置する日蓮宗の寺院であり、身延山久遠寺の別院でもあります。この地はかつて伝馬町牢屋敷の跡地であり、歴史的な背景とともに現代にその姿を残しています。

歴史

1883年に新居日薩によって開山された身延別院は、当初、獄死者や刑死者の菩提を弔う目的で創建されました。この土地は明治時代に廃止された牢屋敷の跡地であり、その空き地に寺院が建立されたのです。開山初期からこの寺院は、本山から派遣される「別当制」によって運営されていました。この制度は1942年から「住職制」に変更され、現在の住職は第3世となっています。

また、門前にはかつて同じ日蓮宗に属する瑞法光寺が存在していましたが、1987年に茨城県取手市に移転しました。このような変遷を経つつも、身延別院は地域に根付いた歴史を持つ寺院です。

本尊

身延別院の本尊は、「願満高祖日蓮大菩薩像」と呼ばれる日蓮像です。この像は1310年に龍華樹院日像によって作られ、高さは71センチメートルで、東京都の有形文化財に指定されています。この像は開山当初から大切にされており、元々は本山の身延山久遠寺に安置されていました。

特筆すべきは、1923年の関東大震災の際、本尊を含む寺宝が伝馬船に積まれたものの、船が行方不明になるという事件がありましたが、半月後には無人の状態で海岸に漂着しました。この船が過去帳に記載されていた当院のものであることが確認され、さらには1945年の空襲でも焼夷弾が本尊の側に落ちたにもかかわらず、燃えなかったことから、「霊像の加護」だと信じられています。

このように、身延別院の本尊は多くの奇跡的なエピソードを持ち、信仰の象徴としての役割を果たしています。

交通アクセス

身延別院へのアクセスは非常に便利です。小伝馬町駅からは徒歩1分の距離に位置しており、訪れるのに扱いやすい場所です。この近さから、多くの参拝者が日常的に訪れる寺院となっています。

現代においても、身延別院は地域の住民や訪問者にとって大切な信仰の場となり、日蓮宗の教えを広める役割を果たしています。歴史深いこの地を訪れることで、信仰の強さや地域の文化を学ぶことができるでしょう。

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