車山高原スキー場

長野県茅野市に位置する「車山高原スキー場」は、日本百名山の一つ、霧ヶ峰の主峰である車山の北東斜面に広がるスキー場です。信州綜合開発観光株式会社によって運営されており、「車山高原スカイパークスキー場」とも呼ばれます。冬期はスキーやスノーボードのゲレンデとして賑わいますが、夏季には「車山高原スカイパークリゾート」として避暑地観光地となるほか、一部の索道は年間を通じて運行され、四季折々の景観を楽しめる通年型のリゾート施設です。

概要

ゲレンデは車山の山頂から標高差を利用して展開しています。このエリアは極端な豪雪地帯ではありませんが、標高が高く内陸に位置するため気温が低く安定しており、人工降雪機を効果的に活用することで、シーズンを通して良好な雪量と雪質を維持しています。

最大の魅力の一つはその雄大な眺望です。ゲレンデからは蓼科山、白樺湖、美ヶ原といった周辺の美しい景色が望めます。さらに、山頂まで登れば、富士山、北アルプス、南アルプス、中央アルプス、八ヶ岳、浅間山連峰など、日本の名だたる山々を360度見渡すことができる大パノラマが広がります。この素晴らしい景色を目当てに訪れる人も少なくありません。

白樺湖や霧ヶ峰周辺エリアに複数存在するスキー場の中でも、車山高原スキー場は比較的規模が大きく、中心的な存在となっています。そのため、特に週末や休日には多くのスキーヤーやスノーボーダーで賑わいます。ウィンタースポーツだけでなく、スノーシューを利用して霧ヶ峰周辺の雪原をトレッキングするアクティビティも人気があり、多様な楽しみ方が可能です。

コース・施設

当スキー場では、9本のリフトが運行されており、多様なレベルに対応した8本のコースが設定されています。初心者から上級者まで楽しめる設計となっており、特に初心者でも安全にゲレンデ山頂（車山山頂）からベースエリアまで滑走できるコースが用意されているのが特徴です。

ゲレンデには、整備された圧雪バーンの他に、コブ斜面を楽しめるモーグルバーンや、夜間も滑走可能なナイター設備、そして技量向上を目指すスノーボーダーやスキーヤー向けのスノーパークも完備しています。ただし、スノーパークのキッカーは独特な形状で、またコースコンディションによってはアイスバーンになりやすい箇所もあるため、利用にあたっては十分な注意が必要です。

主要なコースは以下の通りです。

ファミリーコース (900m)
パノラマコース (2,000m)
スラロームコース (400m)
かめさんコース (600m)
トレビアンコース (650m)
ビーナスコース (1,050m)
スポーツマンコース (750m, 非圧雪)
アップルヒルコース (300m)

リフトは、輸送能力の高い高速4人乗りクワッドリフト3基（スカイライナー、スカイジェッター、スカイパノラマ）と、ペアリフト6基（第4ロマンス、第5ロマンスA線・B線、第6ロマンス、第7ロマンス、第8ロマンス）で構成されています。

歴史

車山高原スキー場は1965年に開設されました。その後の運営体制には変化が見られます。2018年10月には、新潟県湯沢町を拠点とするスマイルリゾートが、運営会社である信州綜合開発観光株式会社の株式の大半を取得し、子会社化することを発表しました。スマイルリゾートはホテル・リゾート運営を手掛けるホスピタリティパートナーズグループの子会社であり、新潟県を中心に複数のスキー場を運営しています。この子会社化により、グループ全体での連携強化や集客力向上を目指す方針が示されました。

しかし、2019-2020シーズンまでは公式ウェブサイトなどで「スマイルリゾートグループ」に属すると表記されていましたが、2020-2021シーズンからは「提携スキー場」という表記に変更されています。これは、運営や資本関係において何らかの変更があったことを示唆しています。

アクセス

公共交通機関を利用する場合、JR東日本中央本線の茅野駅からアルピコ交通のバスが運行されています。
車でのアクセスは、中央自動車道諏訪インターチェンジから約28km、または上信越自動車道佐久インターチェンジから約40kmです。1500台収容可能な広大な駐車場が完備されています。

車山高原スキー場は、その恵まれた立地による抜群の眺望、安定した雪質、そして多様なコース設定により、多くのウィンタースポーツ愛好者に親しまれています。また、グリーンシーズンも楽しめる通年型リゾートとして、年間を通じて魅力を発信しています。

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