車輪配置 0-10-0

車輪配置0-10-0の機関車について

車輪配置0-10-0（しゃりんはいち0-10-0）は、動輪が5軸で構成された機関車の形式を指します。この形式はホワイト式分類に基づき、アメリカでは「テン・ホイール・スイッチャー」や「デカポッド」として知られています。特に重量のある貨物を扱うために設計されたこの機関車は、特有の走行性能や設計上の特徴を持っています。

歴史的背景

この0-10-0式が初めて導入されたのは、オーストリア帝国の帝立王立国有鉄道で運用されていた180形機関車です。ボヘミアの炭鉱地帯から石炭列車を牽引するために、この機関車は特に設計されました。この地域の路線は、軸重制限が13.7トンと費用的制約があり、その結果、大きな牽引力が求められたのです。最終的には239両が製造され、当初の計画通りに功績を上げました。

しかし、0-10-0はその形式のため、先輪が欠如しており、高速走行には適していませんでした。また、多軸の構成によって曲線通過においても特別な措置が必要でした。そのため、この機関車は低速で十分な牽引力を要する運行において役立てられ、特に急勾配区間または大規模な入替用などで使用されることが多くありました。

中には、悪路での運行を目的とした小型の0-10-0も存在しており、日本の陸軍鉄道連隊では600mmの軌間に合わせた機車を数両所有していました。

世界各国での利用

特にソビエト連邦では、0-10-0形式の機関車が広く生産され、主流の貨物機として1500台以上のE型機関車が製造されました。これらは蒸気機関車の時代が終わるまで広範に利用されました。さらにイギリスでは、1902年にグレートイースタン鉄道で製造されたA55形が特異な機関車として知られています。この機関車は実験的目的で造られ、当時の通勤列車の貨物輸送能力を模索するものでした。305トンの装置を持ち、実際に30秒以内で時速30マイル（約48.3km/h）に達する能力を持っていました。

しかしその重量が線路に過剰な負担をかけたため、結果的には高加速を持つ近郊通勤列車は製品化されませんでした。A55は最終的には1913年まで使用され、改造された後に解体されています。

各国の代表的な0-10-0機関車

日本における0-10-0

• - 国鉄4100形蒸気機関車
• - 国鉄4110形蒸気機関車
• - 日本陸軍鉄道連隊E形蒸気機関車
• - 日本陸軍鉄道連隊K1形蒸気機関車
• - 日本陸軍鉄道連隊K2形蒸気機関車

ドイツにおける0-10-0

• - プロイセン邦有鉄道G10形
• - プロイセン邦有鉄道T16形
• - 王立バイエルン邦有鉄道G5/5形

イギリスにおける0-10-0

• - グレートイースタン鉄道A55形
• - ミッドランド鉄道No.2290 リッキー・バンカー

このように、0-10-0の機関車は各国で異なる目的や条件に従い、さまざまな形で運用されてきました。その特性は貨物輸送において独自の地位を築く要因となっています。

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