軽井沢会

一般財団法人軽井沢会について

一般財団法人軽井沢会は、長野県軽井沢に別荘を所有する人々によって構成される自治組織です。1886年にカナダ人宣教師アレクサンダー・クロフト・ショーにより軽井沢が避暑地として広く知られるようになると、多くの外国人がこの地を訪れました。軽井沢の特筆すべき点は、当時の流行である歓楽街を設けなかったことです。日本国外からの訪問者たちは、自然の中で過ごすことを重視し、アウトドアスポーツを楽しむ傾向がありました。

1908年には、外国人による「軽井沢体育協会」が結成され、テニスや野球が盛んに行われるようになりました。大正時代に入ると、この協会を基にした「軽井沢避暑団」が1913年に発足しました。この組織は、別荘所有者に対する税金の課税を巡る運動の一環として誕生しました。

避暑団の初代理事には、ジョン・ロビンソンや藤島太麻夫など、著名なメンバーが名を連ねていました。1919年には、避暑団が財団法人としての認可を取得し、その後、テニスコートや軽井沢集会堂の土地が寄付されるなど、地元のコミュニティとのつながりを更に強めていきます。これは、地域の施設が別荘所有者が中心となって運営されることを意味しました。

1922年には、近衛文麿や原嘉道らが主導し、日本人による「軽井沢集会堂委員会」が設立され、その後、ウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計により軽井沢集会堂が建設されました。1926年には、軽井沢郵便局との協議を経て、旧軽井沢の別荘地にハウス番号が導入され、組織の正式な活動が一層活発化しました。

1941年、戦争の影響を受けて、外国人主体の「軽井沢避暑団」と日本人主体の「軽井沢集会堂委員会」が統合され、「財団法人軽井沢会」へと名称が変更されました。この統合の背景には、当時の社会的な厳しさが影響しています。歴代の理事長には、ダニエル・ノーマンや小坂順造などが名を連ね、組織の発展に寄与しました。

現在の活動

現在、軽井沢会は会員間の親睦を深めると共に、軽井沢テニスコートや軽井沢集会堂の管理を行っています。また、軽井沢国際テニストーナメントを主催し、年に一度、町長や商工会長との懇談会を通じて、地域の伝統を守るために活動しています。

2023年には、正式会員と家族会員を合わせて1614名のメンバーが在籍しており、実業界のリーダーたちが理事を務めています。各理事の中には、新赤坂クリニックの院長である松木康夫や、虎屋社長の黒川光博、中堅企業の経営者たちが名を連ねており、彼らは地域の文化とスポーツの発展に努めています。これからも軽井沢会は、地域の文化や伝統を守り、発展させることに貢献し続けるでしょう。

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