轟の滝 (高知県)

轟の滝

高知県香美市香北町に位置する轟の滝は、その壮大な景観と歴史的な伝説で知られる名瀑です。県指定の名勝であり、「日本の[[滝百選]]」や「四国八十八景」にも選ばれています。

概要

轟の滝は、物部川の支流である日比原川の流域にあります。落差83メートルを3段に分けて流れ落ちるその姿は、見る者を圧倒します。滝の背後には、平家落人伝説が残る御在所山（1079メートル）がそびえ立っています。

最上段の滝壺は直径約15メートルの甌穴となっており、自然の力強さを感じさせます。また、滝壺のすぐ脇には神社が鎮座し、神聖な雰囲気を漂わせています。滝の周囲は原生林に覆われており、特に秋にはモミジなどの落葉樹が色鮮やかに紅葉し、多くの観光客を魅了します。

また、周辺には轟の滝キャンプ場があり、自然の中でリフレッシュすることができます。

玉織姫伝説

轟の滝には、悲しい伝説が残っています。平家落人の娘である玉織姫が、大蛇にさらわれたという物語です。

平家の一門である伊和三太夫には、美しい娘、玉織姫がいました。彼女は機織りの名人として、その名が近郷にまで知れ渡っていました。ある日、玉織姫は川向こうに機織り道具を返しに行ったまま、夜になっても帰ってきません。心配した三太夫は、轟の滝の滝壺に大蛇が住んでいることに気づき、娘が大蛇にさらわれたのではないかと疑います。

激怒した三太夫は、家伝の名刀を手に滝へと駆けつけ、滝壺に飛び込みました。するとそこには、乾ききった岩盤の世界が広がっており、玉織姫が三太夫を待っていました。玉織姫は、三太夫に秀麗な若侍を夫として紹介し、三日間もてなしました。しかし、その若侍こそが大蛇の化身だったのです。玉織姫は、父に自ら織った絹の巻物を形見として渡し、別れを告げました。

三太夫が山里に戻ると、3年の月日が経っていました。しかし、その後、三太夫の住む柚ノ木の里には平和な日々が訪れ、次第に繁栄していったと伝えられています。

アクセス

公共交通機関を利用する場合、JR土讃線土佐山田駅からJRバス大栃行きに乗り、「美良布」停留所で下車します（所要時間約25分）。そこからタクシーで約30分です。

車の場合は、国道195号から県道220号を経由して林道を進みます。駐車場は無料で利用でき、そこから滝までは徒歩約5分です。

周辺情報

轟の滝周辺には、以下の観光スポットがあります。

香美市立やなせたかし記念館
道の駅美良布（びらふ）
大荒の滝
日ノ御子河川公園
龍河洞

参考文献

現地案内板
『日本の滝100選』 グリーンルネッサンス事務局/編、1991年、講談社

外部リンク

香美市公式ホームページのURL'>香美市公式ホームページ

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