辰野町立図書館

辰野町立図書館

辰野町立図書館は、長野県上伊那郡辰野町にある公共図書館です。町の図書館は、小野地区にあった旧小野村立図書館と、町中心部にある旧辰野町立図書館の二つの流れを汲んでいます。それぞれの歴史と経緯について詳しく見ていきましょう。

沿革

旧小野村立図書館

1928年（昭和3年）に小野村に村立小野図書館が開館しました。この図書館は、現在の辰野町北部、塩尻市との境界に近い小野地区に位置しており、地域住民に親しまれてきました。特に児童向け図書が充実しており、「村図書」の愛称で親しまれていました。

小野図書館の歴史

1901年（明治34年）2月 - 小野村役場に小野文庫が創設される。
1915年（大正4年） - 小野通俗図書館に改称、巡回文庫制度を開始。
1928年（昭和3年）- 小野公園の詠帰亭を借り、村立小野図書館として開館。青年会が運営にあたる。
1952年（昭和27年） - 現在地に新築移転。
1961年（昭和36年） - 町村合併により、辰野町立小野図書館となる。
2020年（令和2年）3月 - 休館。
2021年（令和3年）12月 - 蔵書整理が完了し、閉館。


旧小野村立図書館は、筑摩書房の創業者である古田晁の出身地が近隣であったことから、古田の寄贈書や所縁のある人物の色紙も所蔵していました。

旧辰野町立図書館

一方、辰野町中心部には、別の図書館がありました。1959年（昭和34年）に町立辰野図書館が開館しました。この図書館は、現在の辰野町立図書館の直接的な前身となります。

辰野図書館の歴史

1921年（大正10年） - 旧伊那富村の伊那富小学校内に伊那富図書館を開設。
1936年（昭和11年） - 武井覚太郎の寄付を得て、小学校内に耐火書庫を建築。
1959年（昭和34年） - 辰野町に運営を移管し、辰野町立辰野図書館となる。
1982年（昭和57年） - 現在地に新築移転。

統合と現在

1961年（昭和36年）に小野村が辰野町に編入合併されたことにより、辰野町立図書館は、町立辰野図書館と町立小野図書館の2館体制となりました。その後、2021年（令和3年）に町立小野図書館が閉館したため、現在は町立辰野図書館のみの単館体制となっています。

まとめ

辰野町立図書館は、二つの図書館の歴史を背景に、町民の文化的な生活を支えています。児童向け図書が充実しているほか、地域に根差した資料も所蔵しており、住民の学習活動や地域文化の振興に貢献しています。

参考資料

丸山信『長野県の図書館』1998年、241頁。
日本図書館協会『日本の図書館：統計と名簿2015』2015年、52-53頁。
辰野町誌刊行委員会『辰野町誌 近現代編』1988年、737頁。

関連項目

* 長野県の図書館一覧

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