農林局 (琉球政府)

農林局（琉球政府）について

農林局は、琉球政府の行政機構において、農林水産業に関する行政事務を担っていた重要な部局です。1965年8月1日の機構改革により、経済局から分離・独立しました。この組織再編は、当時、沖縄の基幹産業であった農林水産業の振興をより専門的に推進することを目的としていました。

所掌事務

農林局は、1972年5月14日時点で、以下の事務を管掌していました。

農業：農産物の生産、流通、農地の管理など、農業全般に関する事項を扱いました。
農林土木：農業用施設や林道などの整備、土地改良など、農林業の基盤整備に関する事項を扱いました。
林業：森林の保護、育成、木材の生産、林産物の利用など、林業全般に関する事項を扱いました。
畜産業：家畜の飼育、改良、畜産物の生産、流通など、畜産業全般に関する事項を扱いました。
水産業：漁業、養殖業、水産物の加工、流通など、水産業全般に関する事項を扱いました。
海外移住：海外への移住に関する事務や相談業務を行いました。

これらの事務を通じて、農林局は、沖縄の経済を支える農林水産業の発展に大きく貢献しました。

組織

農林局の組織は、1972年5月14日時点で、以下のようになっていました。

内部部局

局長直属：局全体の運営方針や重要事項を決定する役割を担っていました。
総務課：局内の人事、経理、庶務などを担当する部署です。
農政部：農業政策の企画立案、農業協同組合の指導監督など、農業行政の中枢を担いました。
農政課：農業政策の立案、実施を担当しました。
特産課：沖縄の特産品の開発、振興を担当しました。
農業協同組合課：農業協同組合の運営、指導監督を担当しました。
耕地課：農地の管理、改良を担当しました。
農林部：農業と林業の両分野を統括する部署です。
農産課：農産物の生産、流通を担当しました。
林務課：森林の管理、林業政策を担当しました。
畜産課：畜産業の振興、家畜の管理を担当しました。
農業改良課：農業技術の普及、指導を担当しました。
水産部：水産業に関する政策立案、資源管理、漁業指導などを行いました。
漁政課：漁業政策の立案、実施を担当しました。
生産課：水産物の生産、流通を担当しました。

支分部局

営林署：森林の管理、伐採、植林などを担当しました。
農業改良普及所：農業技術の普及、指導を地域ごとに行いました。
畜産指導所：畜産技術の普及、指導を地域ごとに行いました。
農林土木事務所：農林業に関わる土木工事の計画、実施を担当しました。

附属機関

農業試験場：農業に関する試験研究を実施しました。
模範農場：新しい農業技術を実証し、普及するための農場です。
畜産試験場：畜産に関する試験研究を実施しました。
家畜衛生試験場：家畜の疾病予防、衛生管理に関する試験研究を実施しました。
林業試験場：林業に関する試験研究を実施しました。
植物防疫所：植物の病害虫の防除を担当しました。
動物検疫場：動物の輸入、輸出における検疫を担当しました。
水産試験場：水産資源、養殖技術に関する試験研究を行いました。
肉用牛繁殖センター：肉用牛の改良、繁殖を促進しました。

これらの組織を通じて、農林局は、沖縄の農林水産業の発展に不可欠な役割を果たしました。農林局は、1972年5月15日の沖縄返還に伴い廃止されましたが、その業務は、現在の沖縄県庁に引き継がれています。

参考文献

照屋栄一『沖縄行政機構変遷史 明治12年～昭和59年』照屋栄一、1984年8月15日。NDLJP:9775065。

関連項目

琉球政府
行政主席

外部リンク

沖縄県公文書館

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