農林漁業中央金庫

農林漁業中央金庫（のうりんぎょぎょうちゅうおうきんこ）について

農林漁業中央金庫は、1952年に制定された農林漁業中央金庫法（立法第45号）に基づいて設立された、琉球政府管轄の特殊法人です。この金庫は、当初、協同組合中央金庫法に基づき「協同組合中央金庫」として発足しました。

法改正と名称変更

1958年の法改正により、協同組合中央金庫法は農林漁業中央金庫法へと名称が変更されました。これに伴い、金庫自体の名称も農林漁業中央金庫へと改められました。この変更は、金庫が取り扱う業務範囲と対象をより明確にするためのものでした。

主な業務内容

農林漁業中央金庫は、農林漁業者によって組織される協同組織体（具体的には協同組合など）を主な対象として、融資業務を展開していました。これは、当時の琉球政府管轄下において、農林漁業の発展を金融面から支える重要な役割を担っていたことを示しています。

復帰と組織の再編

1972年の沖縄返還に伴い、農林漁業中央金庫の業務は、新たな組織へと引き継がれることになりました。具体的には、農業関連の融資業務は沖縄県信用農業協同組合連合会（現在の沖縄県農業協同組合）へ、漁業関連の融資業務は沖縄県信用漁業協同組合連合会へとそれぞれ改組されました。これにより、農林漁業中央金庫は、その歴史に幕を閉じることになりました。

関連事項

琉球政府：農林漁業中央金庫が設立・運営されていた当時の行政機関です。
農林中央金庫：現在の日本の農林水産業協同組合系統の金融機関です。
* 金庫 (特殊法人)：特別な法律に基づいて設立された法人を指します。農林漁業中央金庫もこの一つです。

まとめ

農林漁業中央金庫は、琉球政府下で農林漁業の発展に貢献した重要な金融機関でした。その設立から復帰までの過程は、沖縄の歴史と経済構造を理解する上で重要な要素です。復帰後、その役割は沖縄県内の各組織に引き継がれ、今日の農林水産業を支える基盤となっています。

この金庫の歴史は、単に金融機関の変遷だけでなく、当時の沖縄が抱えていた課題や、その解決に向けた取り組みを反映しており、歴史的な観点からも重要な意味を持っています。

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