農林漁業金融公庫

農林漁業金融公庫とは

農林漁業金融公庫（のうりんぎょぎょうきんゆうこうこ、Agriculture Forestry and Fisheries Finance Corporation）は、2008年10月1日まで存在した、農林水産省と財務省が所管する特殊法人・政策金融機関です。農林漁業金融公庫法に基づき、農林漁業者や食品産業事業者への資金供給を目的としていました。

基本情報

本店所在地: 東京都千代田区大手町1-9-3 公庫ビル
支店: 全国主要都市に22支店
設立: 1953年4月1日
資本金: 3,116億円（2005年3月末時点、政府全額出資）
役職員数: 929人（2005年3月末時点）
融資残高: 3兆2,699億円（2005年3月末時点）

主な業務内容

農林漁業金融公庫は、以下の2つを主な業務としていました。

1. 農林漁業者への融資: 農林漁業の生産力維持・増進に必要な長期かつ低利の資金を融資しました。
2. 食品産業事業者への融資: 食料の安定供給確保に必要な長期かつ低利の資金を食品産業事業者に融資しました。

これらの融資を通じて、日本の農林水産業と食料供給を支える重要な役割を担っていました。

政策金融改革と統合

農林漁業金融公庫は、政策金融改革の流れの中で、株式会社日本政策金融公庫に統合されることになりました。

政策金融改革の経緯

以下のようなプロセスを経て、統合が決定されました。

2002年12月13日: 経済財政諮問会議が「政策金融改革について」を決定。
2005年11月29日: 経済財政諮問会議が「政策金融改革の基本方針」を決定。
2005年12月24日: 「行政改革の重要方針」を閣議決定。
2006年6月2日: 「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律」が公布・施行。
2006年6月27日: 政策金融改革推進本部・行政改革推進本部の合同会議が「政策金融改革に係る制度設計」を決定。
2007年2月27日: 「株式会社日本政策金融公庫法案」及び「株式会社日本政策金融公庫法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案」を閣議決定し、国会に提出。
2007年5月25日: 「株式会社日本政策金融公庫法」が公布。

株式会社日本政策金融公庫への統合

2008年10月1日、農林漁業金融公庫は解散し、同日付で設立された株式会社日本政策金融公庫に統合されました。同時に、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫も解散し、新会社に統合されました。

農林漁業金融公庫の業務は、株式会社日本政策金融公庫に承継されましたが、融資対象や条件には一部変更がありました。

農林漁業者向け融資: 資本市場からの調達が困難な資金の貸付けに限定。
* 食品産業事業者向け融資: 中小企業者に対する償還期間が10年を超える資金の貸付けに限定。

これらの変更は、政策金融の効率化と民間金融機関との役割分担を明確化する目的で行われました。

まとめ

農林漁業金融公庫は、日本の農林水産業と食料供給を支える重要な政策金融機関でした。その役割は、株式会社日本政策金融公庫に引き継がれ、現在も日本の食と農を支え続けています。

この変革は、時代の変化に対応し、より効率的な政策金融体制を構築するための重要な一歩でした。

もう一度検索