辻二郎 (機械工学者)

辻二郎について

辻二郎（つじじろう、1896年10月11日 - 1968年10月4日）は、日本の機械工学の分野で名を馳せた科学者であり、その業績は光弾性実験のフリンジ法という専門分野において特に重要です。また、彼は国家公安委員会の初代委員長としても知られています。筆名は「富士前 研二」としても用いられました。

来歴

辻は東京で生まれ、東京帝国大学で工学博士号を取得しました。彼の博士論文の題は「新シキ材料ト方法トニヨレル光弾性学ニ関スル研究」で、これは英語で発表されたものです。大学を卒業後、理化学研究所に勤務し、主任研究員として活躍しました。この間、彼はオイルタンカーの爆発事故を防ぐために、世界初の光学式ガス検定器を開発し、科学界における貴重な成果を上げました。

1945年には理化学研究所の副所長に昇進し、その後、東京理科大学の教授として教育にも貢献しました。また、理研計器の社長を務めた時期もありました。

国家公安委員会での活動

辻は1948年3月7日から1952年3月6日まで、国家公安委員会の委員長を務めました。その時期、彼は日本交通安全協会の設立に関与し、1950年にはその発起人の一人として活動しました。この協会は、現在の全日本交通安全協会へと受け継がれています。辻はまた、衆議院や参議院で請願人としての役割も果たしました。ここでは競輪廃止の提案やドッグレースに関する意見も述べました。

主な役職

辻二郎は多くの学会や団体で重要な役職に就きました。以下にその一部を挙げます。

• - 日本機械学会 第26期会長（当時・理研計器社長、1948年）
• - 応用物理学会 第2代会長（1952年 - 1959年）
• - 精密工学会 第8代会長（当時・理研計器、1958年 - 1959年）
• - 日本工学会会長（1965年 - 1967年）

著書

辻は研究者としてだけでなく、著作活動にも力を入れました。彼の著作は機械工学や光弾性に関する重要な資料として、現在も多くの研究者に利用されています。

彼の業績は、科学技術の進展に寄与しただけでなく、日本の交通安全の向上にも貢献したことから、評価されています。辻の仕事は、学問的な境界を越えて社会全体へと影響を及ぼしました。

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