辻本弘樹

辻本弘樹：剛腕から社会人野球指導者へ転身した野球人生

辻本弘樹（つじもと ひろき）は、1969年10月21日生まれ、奈良県出身の元プロ野球選手。投手として活躍し、引退後は社会人野球の指導者として、その経験と知識を伝えている。

甲子園を沸かせた剛腕

智辯学園高時代、辻本は1年夏の県大会決勝で天理高を完投し、チームを優勝に導いた。夏の甲子園にも出場。東農大二高との1回戦では好投を見せるも、惜しくもサヨナラ負け。しかし、この試合で140km/hを超える速球が注目を集め、将来を嘱望された。秋の近畿大会決勝では先発として9回を投げ抜くも、延長18回サヨナラ負けという激闘を経験。2年春の甲子園にも出場したが、初戦で敗退。その後は故障に苦しみ、思うような活躍ができずにいた。

ドラフト外で中日ドラゴンズへ

1987年オフ、辻本はドラフト外で中日ドラゴンズに入団。プロの世界へ足を踏み入れた。

1990年4月18日、対広島東洋カープ戦でプロ初登板を果たす。8回1死満塁という緊迫した場面で、打者ウェイド・ロードンを併殺に打ち取り、チームの勝利に貢献した。翌日の試合でも好投し、首脳陣の評価を高めた。4月22日には対横浜大洋ホエールズ戦で初先発を任されるも、3回3失点で敗戦投手となった。

サイドスローへの転向と引退

持ち味であるクセ球を生かすため、サイドスローに転向を試みる。しかし、故障もあり、結局プロ初勝利を挙げることはできず、1991年に現役を引退した。

社会人野球指導者としての第二の人生

引退後、辻本は野球指導者としての道を歩み始める。2005年には社会人野球のウェルネス魚沼で投手コーチを務め、2006年から2007年にはセガサミーで投手コーチとして、若手選手の育成に力を注いだ。

2009年からはジェイプロジェクトの監督に就任。2016年までチームを率い、2017年からは同部長兼GMとしてチームを支えた。2020年7月1日付で、大石大二郎の後任として再び監督に就任。その後は野球部長としてチームに貢献した。

プレースタイル

高校時代から140km/hを超える速球を武器とする本格派右腕として注目された。プロ入り後は、クセ球を生かすためにサイドスローに転向。

詳細情報

初登板：1990年4月18日、対広島東洋カープ戦（ナゴヤ球場）8回1死に3番手で救援登板、2/3回無失点
初先発：1990年4月22日、対大洋ホエールズ戦（横浜スタジアム）3回3失点で敗戦投手
背番号：51 （1988年 - 1991年）

関連項目

奈良県出身の人物一覧
* 中日ドラゴンズの選手一覧

辻本弘樹は、プロ野球選手としての輝かしいキャリアは短かったものの、その経験を活かし、社会人野球の指導者として多くの選手を育成。野球界への貢献を続けている。

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