近江鉄道モハ200形電車

近江鉄道モハ200形電車とクハ1200形について

近江鉄道モハ200形電車は、かつて近江鉄道で活躍した通勤形電車です。この形式は、共に運用されたクハ1200形と密接な関係があり、両形式合わせて詳細を解説します。

概要

モハ200形とクハ1200形は、それぞれ異なる経緯で近江鉄道に入線しましたが、最終的には小田急1600形の車体で統一されました。これらは末尾の番号が同じ車両同士で2両固定編成を組み、1987年まで運用されました。

モハ200形

モハ200形は201と202の2両が存在しました。これらは元々、東京急行電鉄のデハ3150形3151と3155で、1967年に近江鉄道に譲渡されました。同時に譲渡されたサハ101（元東急サハ3100形3101）と共に3両固定編成を組んでいましたが、近江鉄道ではサハ101を外し、2両編成で運用されました。しかし、車体の老朽化が著しかったため、予備車的な存在となっていました。

1970年、西武所沢車両工場で小田急デハ1600形1609と1603の車体を流用して更新され、クハ1200形と固定編成を組むことになりました。さらに1973年には、台車を国鉄の廃車発生品であるDT12に、主電動機をMT15に換装されました。

クハ1200形

クハ1200形は、1201と1202の2両が存在し、1970年に登場しました。名義上は西武所沢工場で新製されたことになっていますが、実際にはモハ200形と同様に、小田急1600形の車体を流用して製造されました。クハ1201は元クハ1650形1657の車体を、クハ1202は元デハ1600形1602の車体をそれぞれ使用しており、種車が異なるため、細部に差異がありました。

クハ1200形は、常にモハ200形と末尾同番号同士で固定編成を組みました。

終焉

1987年5月、近江鉄道全線でワンマン運転が開始されましたが、モハ200形とクハ1200形はワンマン化改造の対象外となり、運用から離脱しました。その後、1990年に全車が廃車となりました。廃車後も彦根工場構内に留置されていましたが、後に全て解体されました。ただし、本形式の台枠は、220形の新製に際して流用されたと推測されています。

参考資料

鉄道ピクトリアル 鉄道図書刊行会
近江鉄道特集各号
* 1982年8月号（通巻405号）『他社へ行った小田急の車両』 P158

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