近畿日本法隆寺駅

近畿日本法隆寺駅は、かつて奈良県生駒郡斑鳩町興留に位置していた、近畿日本鉄道（近鉄）法隆寺線の廃駅です。その歴史は、天理軽便鉄道の新法隆寺駅として開業した1915年（大正4年）に遡ります。

歴史

1915年（大正4年）2月7日：天理軽便鉄道の新法隆寺駅として産声を上げました。
1921年（大正10年）1月1日：天理軽便鉄道が大阪電気軌道に買収されたことにより、同社天理線の駅となりました。
1922年（大正11年）4月1日：当駅と平端駅間が法隆寺線として独立しました。
1928年（昭和3年）7月1日：大軌法隆寺駅へと駅名を改称しました。
1932年（昭和7年）7月29日：大和安堵駅寄りに駅が移転し、営業キロが0.2km短縮されました。これは、路線の効率化を図るための措置と考えられます。
1941年（昭和16年）3月15日：関急法隆寺駅に再度改称されました。
1944年（昭和19年）6月1日：近畿日本鉄道の駅となり、近畿日本法隆寺駅と、現在知られる駅名に改称されました。
1945年（昭和20年）2月11日：第二次世界大戦の影響により、法隆寺線が不要不急線として休止され、それに伴い当駅も営業を休止しました。戦時下の資源不足が、地方路線の命運を左右したことがうかがえます。
1952年（昭和27年）4月1日：法隆寺線自体が廃止されたため、近畿日本法隆寺駅も廃駅となりました。戦後の復興期においても、路線の再開は叶いませんでした。

駅周辺

駅の跡地周辺は、現在では西日本旅客鉄道（JR西日本）関西本線（大和路線）の法隆寺駅南口にあるバスロータリーとなっています。しかし、かつて駅構内に存在した線路の枕木跡が残されており、わずかに往時の面影を偲ぶことができます。

隣の駅

近畿日本鉄道

法隆寺線

近畿日本法隆寺駅 - 大和安堵駅

脚注

参考文献

「天理軽便鉄道」『鉄道史料』No.39

関連項目

日本の[[鉄道駅一覧]]
廃駅

近畿日本法隆寺駅は、その短い歴史の中で、幾度かの運営会社の変更、駅名の改称、そして路線の休止と廃止を経験しました。駅の跡地は、現代の交通網の一部として利用されていますが、その歴史を物語る痕跡も残されています。この駅は、日本の鉄道史における一断面を映し出す存在と言えるでしょう。

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