近藤亜美

湯田亜美：努力と情熱の柔道人生

湯田亜美選手（旧姓：近藤亜美）は、1995年愛知県名古屋市生まれの女子柔道家です。右組みで、得意技は払腰。幼少期から類まれな才能と強い意志で、日本の女子柔道界を牽引する存在となりました。

幼少期から芽生えた柔道への情熱

母親の勧めから始めた器械体操でしたが、5歳の時、兄の柔道メダルをきっかけに柔道の道へ。初出場大会で準優勝という才能を見せつけますが、その後は男子選手との対戦などもあり、優勝には手が届きません。それでも両親は常に娘を励まし続け、彼女の成長を支えました。親子間の深い信頼関係と、ウソをつかない、隠し事をしないという家族の約束事が、彼女の精神的な支えとなりました。

小学校2年生で名門大石道場に移籍。数々の大会で優勝を重ね、才能を開花させます。2004年アテネオリンピック金メダリストの谷本歩実選手と出会い、強い刺激を受け、「オマエには負けねぇ」と宣言。しかし、練習不足で指導者に練習を禁止されるなど、課題も多くありました。同年代のライバルとの競争も、彼女の成長を促しました。

小学校5年生で全国小学生学年別[[柔道大会]]を制覇。連勝記録を続けましたが、小学校6年生の県大会で2位に終わり、柔道を辞めたいと悩む時期も経験。しかし、父親の励ましによって再び闘志を取り戻し、練習に励みました。

中学・高校時代：挫折と成長

大成中学、大成高校と進学し、全国大会で活躍。中学時代は集中力の維持に課題を抱えながらも、高校では全日本カデ、ドイツカデ国際大会、世界カデ選手権で優勝。しかし、全国高校選手権では思うような結果を残せず、悔しさを味わうこともありました。

高校3年生ではインターハイで優勝、講道館杯では3位。そして、グランドスラム・東京では、ロンドンオリンピック金メダリストや世界チャンピオンを破り優勝。一躍トップ選手として注目を浴びるようになりました。高校時代には、至学館大学のレスリング部で吉田沙保里選手らとも合同練習を行い、刺激を受けました。

社会人時代：世界選手権優勝とオリンピック挑戦

三井住友海上に入社。体重別選手権で優勝し、世界選手権代表に選出。19歳で世界選手権を制覇し、日本女子では1999年以来となる10代での世界チャンピオンとなりました。その後の世界ジュニアでも優勝し、同年にジュニアとシニアの世界タイトルを獲得した初の女子選手となりました。

浅見八瑠奈選手との代表争いを経て、リオデジャネイロオリンピック代表に選出。ワールドマスターズで優勝するなど、期待が高まりましたが、オリンピックでは銅メダル。金メダルへの期待に応えられず、悔しい思いをしました。

その後も世界選手権で銅メダルを獲得するなど、世界トップレベルで活躍。しかし、ケガの影響もあり、東京オリンピック代表選考会では敗れ、2020年に現役を引退しました。

柔道スタイルと人物像

湯田選手の柔道スタイルは、寝技を得意としつつ、払腰などの立ち技も巧みに使いこなすバランスの取れたものです。特に払腰は独特のフォームとタイミングで、多くの相手を翻弄しました。社会人時代には、大内刈、巴投げ、肩車なども習得し、戦術の幅を広げました。

彼女は、大柄な選手を好むという一面も持ち、食べることが大好きで、試合前や試合中にもたくさん食べることで知られています。また、飾らない性格で、時には周囲を驚かせる発言をすることもありましたが、常に前向きな姿勢で柔道と向き合ってきました。

引退後

引退後は、保育士資格取得を目指しながら、女子柔道界への貢献を続けています。20年間の柔道人生で得た経験と、強い意志は、彼女の人生における新たな挑戦の力となるでしょう。彼女の柔道人生は、多くの人々に感動と勇気を与え続けるでしょう。

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