近藤次郎

近藤 次郎について

近藤次郎（こんどうじろう、1917年1月23日 - 2015年3月29日）は、日本を代表する航空工学者であり、東京大学の名誉教授として多くの業績を残しました。滋賀県の出身である彼は、航空工学の領域において航空機の高速化に注力し、また環境科学の分野では応用数学を駆使して大気汚染の予測や核拡散に関する問題に取り組んできました。

略歴

近藤は1935年に京都一中を卒業し、その後1938年に旧制第三高等学校理科甲類を卒業しました。1941年には京都帝国大学理学部数学科を卒業し、1945年には東京帝国大学工学部航空学科を修了しました。1958年には東京大学工学部の教授に就任し、その年の2月には工学博士の学位を取得。彼の論文の題名は「拡張した運動ポテンシャルとこの方法による遷音速空気力学の基礎的研究」でした。

1977年には東京大学名誉教授に任じられ、その後国立公害研究所所長（1980年から1985年まで）、日本オペレーションズ・リサーチ学会会長（1984年から1986年まで）、日本学術会議会長（1985年から1994年まで）、国際科学技術財団理事長（1994年から）と多岐に渡る役職を歴任しました。2015年3月29日、肺炎により98歳でこの世を去りました。

受賞歴

近藤は多くの受賞歴があり、1957年には内閣総理大臣賞を受賞し、1958年には大内賞を手にしました。1966年にはデミング賞、1990年には勲一等瑞宝章、1992年には紫綬褒章、1995年には文化功労者、2002年には文化勲章を受賞するなど、その功績が広く認められました。さらに、国土審議会や航空機工業審議会、中央公害対策審議会、中央環境審議会など、さまざまな審議会で委員を務めました。

プライベートな一面

近藤は第三高等学校に在籍中、室戸台風に遭遇し、彼が住んでいた学生寮の一棟が倒壊するという経験をしました。また、彼は『信長の野望』という戦略シミュレーションゲームの熱狂的なファンでもあり、孫と共に楽しんでいたと言われています。近藤はこのゲームがマネジメントゲームとして非常に優れていると考え、ニューハンプシャーで行われた学会でその魅力を発表しました。この発表がきっかけとなり、カナダの大学やハーバード大学の大学院でも学生にプレイさせるようになったとされています。このように、近藤は学問だけではなく、ゲームを通じた知識の普及にも寄与しました。

近藤次郎は、航空工学や環境科学の分野で多くの成果を上げ、同時に教育や文化の面でもその足跡を残しました。彼の業績は今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

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