近衛通隆

近衛通隆について

近衛通隆（このえ みちたか）は1922年5月11日に生まれ、2012年2月11日に逝去した日本の著名な歴史学者です。彼は後陽成天皇の男系十三世子孫であり、近衛家の一員としても知られています。通隆は東京大学史料編纂所の教授として歴史研究に貢献し、その雄大な知識は後の世代にも受け継がれています。彼はまた、霞山会会長や児玉文庫再興委員会会長、陽明文庫理事長など、いくつもの重要な役職を担っていました。

人物背景

通隆は近衛文麿の次男であり、近衛文隆の弟です。彼の家族は歴史的にも重要な地位を持つ人物が多く、彼自身もその歴史の一部を担いました。学習院中等科に在籍中、1935年に叔父の近衛秀麿と正妻の泰子の養子となります。東京帝国大学に進学し、学徒動員により1945年には一時中断されますが、その後復学し学問に精進しました。

1951年に東京大学史料編纂所に入所し、1962年には助手、1969年に助教授、1981年に教授に昇進し、1983年には定年退官を迎えました。特に父である近衛文麿に関する証言を多く行っており、親子の関係を深く掘り下げる重要な役割を果たしました。通隆が父から受け取った最後のメモには、彼の内面的葛藤が表現されており、歴史の重みを感じさせます。

ゴルフ愛好者としての側面

通隆は歴史学者だけでなく、ゴルフの腕前でも知られています。東京大学教授在職中にはゴルフ部の部長を務め、さらには関東アマチュアゴルフ選手権のチャンピオンにも輝きました。日本ゴルフ協会の会長、東京ゴルフ倶楽部の理事長、日本学生ゴルフ連盟の名誉会長など、様々な役職も果たしました。通隆は自身のゴルフの経験について、「親から教えられたのではなく、夏の軽井沢での生活の中で、両親がコースに出ている時にクラブを持ち出して練習していた。その過程で自然とゴルフを学んだ」と語っています。

近衛家の系譜と皇室との関係

近衛家は藤原忠通の子である近衛基実を始祖としており、五摂家の一つとされています。そのため、通隆は多くの系譜と結びついており、後陽成天皇を始めとする歴代天皇との関係が強いです。通隆の遠祖である近衛信尋は、後陽成天皇の第四皇子として生まれ、近衛家を継承しました。彼の家系は日本の貴族社会において長い歴史を持つものであり、皇室との関係はその重要性を示しています。

最後の年

通隆は2012年2月11日に急性心不全のために逝去しました。89年の生涯の中で、彼は日本の歴史学の発展に大きく寄与し、学問の道を歩む多くの人々に影響を与えました。彼の人生は、文人として、またゴルファーとしても多彩なものであり、その足跡は今もなお多くの人々に記憶されています。

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