近鉄道路

近鉄道路について

近鉄道路（きんてつどうろ）は、三重県津市から松阪市までを結ぶ市道および県道の愛称で、1961年に廃線となった近鉄伊勢線の敷地を利用して整備されています。この道路は、正式な名称ではないため、具体的な距離や起点・終点についての正確な情報は存在していませんが、国道23号（伊勢街道）や国道166号に概ね平行に通行しています。

概要と特徴

かつての伊勢線の起点であった江戸橋駅周辺は再開発され、津駅東口（栄町三丁目交差点）近くのカーブに残る線路の面影が確認できます。また、安濃川鉄橋は撤去され、塔世橋南側から雲出大橋までの約9kmにわたって市道が整備されています。松阪市との境界である雲出川の鉄橋は水道橋に置き換えられ、周囲は廃道となっているため、迂回して国道や県道413号を利用する必要があります。

松阪市内では、小舟江町から近鉄山田線松ヶ崎駅に至る約4kmの道路が整備されています。途中の三渡川には橋がないため、国道を迂回しなければなりません。さらに、県道756号は新松阪駅跡地である黒田町交差点まで延びており、こちらも伊勢線の跡地となっています。県道756号は、JR紀勢本線の徳和駅を経て櫛田川左岸の山下町までの約5kmも含まれており、これは1942年（昭和17年）に廃止された関西急行鉄道（近鉄の前身）の新松阪 - 大神宮前間に当たります。

全体として、近鉄道路は片側1車線で整備されており、元が鉄道であったため、曲線がほとんどない高規格な道路構造を持っています。また、松阪市北部では、近鉄やJRの線路と立体交差する部分も多く存在し、一般道路と連続的に連携した盛り土の部分も見られます。旧駅付近では、側道や接続道路の配置、ホーム跡など、かつての鉄道の名残が感じられます。

歴史的背景

1960年代の漠然とした状況の中で、津市と松阪市の間は自動車通行可能な道路として整備が行われていましたが、一部区間では簡易舗装が行われただけで、道路の状態は悪化していました。松阪市内や近鉄山田線、紀勢本線、名松線との立体交差部分には、伊勢電気鉄道時代の単線鉄橋がそのまま利用されています。1970年代に入ると、市道と県道の整備が進行し、立体交差部分の橋梁も新しく架け替えられたことで、国道23号の交通を補完する重要な路線としての役割が高まりました。

津興橋の歴史

津興橋は1930年に津市の岩田川に架けられた鉄道橋で、伊勢線の最大の遺構でした。廃線後の1961年に道路橋として改修された津興橋は、2019年まで使用されていましたが、老朽化と耐震対策のため架け替えが決定されました。2026年を目標に新しく建設される予定で、通行止めによる渋滞を避けるために仮設橋も設置されました。

通過する市町村と接続道路

近鉄道路は津市と松阪市を通過し、接続道路には国道23号や三重県道114号が含まれています。このような整備の進展により、近鉄道路は地域交通の重要な役割を果たし続けています。

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