櫛田川

櫛田川について

櫛田川は、三重県中部を東西に流れ、伊勢湾に注ぐ一級水系の本流です。その源を三重・奈良県境の高見山に発し、東へと流れる中で、佐奈川などの支流を合わせ、伊勢平野を潤します。松阪市法田では祓川を分派した後、北へと向きを変え、最終的に伊勢湾へと注ぎます。流域面積は436km²、幹線流路延長は87kmに及びます。

川の名の由来

『倭姫命世記』によると、倭姫命が天照大神の鎮座地を求めて諸国を巡行した際、この地で櫛を落とされたことが「櫛田」という地名の由来とされています。この伝説が、川の名前の由来にもなったと考えられています。また、歴代の斎王が群行の際に櫛をこの川に捨てることで、神に仕える決意を示したという言い伝えも残っています。

流域の自治体

櫛田川の流域には、以下の自治体が含まれます。

三重県：松阪市、多気郡多気町

主な支流

櫛田川には、多くの支流が流れ込んでいますが、ここでは一級河川のみを下流側から順に記載します。

別名「揥水」

櫛田川には、「揥水（ていすい）」という別名があります。これは、当地出身の儒学者・奥田三角が名付けたもので、「揥」は櫛を意味します。この別名は、川のそばにある松阪市立揥水小学校の校名にも採用されています。

立梅用水

櫛田川水系の朝柄川を水源とする立梅用水は、江戸時代の文政6年(1823年)に、周辺の村々の請願によって紀州藩が建設した用水路です。疏水百選にも選ばれ、2014年には国際かんがい排水委員会によるかんがい施設遺産にも登録されました。現在では、小水力発電にも利用され、地域に貢献しています。

交通

櫛田川の取水地である波多瀬地区へは、JR紀勢本線松阪駅から三重交通バス大石行きに乗り、終点大石で下車後、徒歩約15分です。

主な災害

1889年には源流部で大規模な山腹崩壊が発生しました。また、1959年の伊勢湾台風では崩壊地の浸食が顕著となり、その後、国による治山工事が行われました。

主なダム

櫛田川には、蓮ダムがあります。

外部リンク

櫛田川 - 国土交通省中部地方整備局
香り高き清流櫛田川 - 国土交通省
立梅用水と大師の里 - Storyで紡ぐたび ～もののあはれ中南勢ものがたり～

関連項目

* 日本の川一覧

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