送り倒し

送り倒し：相撲の決まり手

送り倒しは、大相撲における決まり手の一つです。この技は、相手の背後、または横に素早く回り込み、相手の体勢を崩して、土俵上または土俵の外へ向けて、相手を前方に這わせるようにして倒すことで成立します。

概要

送り倒しは、相手のバランスを崩し、自分の体を上手く利用して相手を倒す、高度な技術を要する技です。そのため、力任せに押すのではなく、相手の動きをよく見て、的確に体勢を崩す必要があります。また、瞬時の判断力と素早い動きが求められるため、力士の身体能力と技術が試される技と言えるでしょう。

貴闘力の奇跡の逆転劇

2000年3月場所千秋楽、前頭14枚目の貴闘力が、幕内初優勝をかけて関脇・雅山と対戦しました。星一つの差で貴闘力を追う雅山は、貴闘力を土俵際まで押し込みましたが、貴闘力は右足一本で辛うじて土俵に残りました。そして、土俵際で体勢を入れ替え、送り倒しで雅山を逆転。この勝利で、貴闘力は悲願の幕内初優勝を飾りました。この優勝は、大相撲史上初の幕尻優勝として記録され、さらに当時としては、年6場所制となってから史上最年長（32歳5ヶ月）及び初土俵から最長場所数（102場所目）での幕内初優勝という記録も打ち立てました。

近年の送り倒し

近年では、2016年7月場所3日目に栃煌山が横綱・鶴竜に、2017年1月場所10日目に石浦が千代翔馬に対して送り倒しを決めています。これらの取り組みからも、送り倒しは決して珍しい技ではなく、力士たちが勝利を目指して繰り出す有効な戦術の一つであることがわかります。

関連項目

相撲
大相撲の決まり手一覧
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