逓信省印旛地方航空機乗員養成所

印旛飛行場の歴史と概要

印旛飛行場は、千葉県印旛郡（現・印西市）に位置していた飛行場で、主に逓信省印旛地方航空機乗員養成所として利用されていました。この飛行場は1938年に設立され、1942年に完成。その後、1943年と1944年には拡張工事が行われ、陸軍飛行第二三戦隊が配備されるなど、軍事的な役割も果たしました。第二次世界大戦後は、印旛少年院が設置されるなど、地域の歴史に深く関わりました。

概要と特徴

印旛飛行場は、特色ある転圧式の滑走路が設計されていましたが、舗装は施されていませんでした。そのため、質素ながらも飛行機の離着陸には十分な機能を果たしていました。現在では、飛行場の跡地に西の原公園が設けられ、その中には『平和の碑』という記念碑が立っています。この碑は、平和の大切さを伝えるために、地域の人々によって建立されました。

地下には、陸軍飛行戦隊のための無蓋掩体壕が作られており、その後も調査によって36基分の掩体壕が確認されました。しかし、近年の開発によって多くの掩体壕は撤去され、現在[2018年時点]では、印西市によって「市指定記念物（史跡）」として保護されているものが幾つか残されています。

印旛飛行場の歴史の中で特に注目されるのは、1949年から1976年までの間、ここに印旛少年院が設置されていた点です。少年院は、『関東年少小唄』の一節にも登場するほど有名で、その運営や職員による問題が議論を呼ぶこともありました。特に、暴行事件が国会の法務委員会で取り上げられるなどして、注目を集めました。

歴史の流れ

• - 1938年（昭和13年）：逓信省印旛地方航空機乗員養成所が創設される。
• - 1942年（昭和17年）6月6日：印旛飛行場が竣工。
• - 1943年（昭和18年）10月：滑走路の拡張工事。
• - 1944年（昭和19年）10月11日：陸軍飛行第二三戦隊が印旛飛行場に配備。
• - 1945年（昭和20年）8月：第二次世界大戦が終了し、その後開拓団による入植が行われました。
• - 1949年（昭和24年）：印旛飛行場の跡地には法務省印旛少年院が設立されました。
• - 1976年（昭和51年）：印旛少年院が閉鎖される。
• - 1983年（昭和58年）12月15日：印旛少年院跡地が千葉ニュータウンの開発用地として売却される。

このように、印旛飛行場は単なる航空機の離着陸の場を超え、歴史的な出来事や多くの人々の生活と結びついた重要な場所でした。現在では、周辺の発展に伴い、その役割を終えつつありますが、地域住民にとっては思い出深い空間であり、歴史を学ぶ場としても重要な位置を占めています。

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