速谷神社

速谷神社 (はやたにじんじゃ)

速谷神社は広島県廿日市市上平良に位置し、名神大社とされる式内社の一つです。この神社は安芸国の二宮であり、古くから交通安全の守護神として多くの人々に崇敬されています。1800年もの長い歴史を持つこの神社は、かつては厳島神社よりも高い位置づけを有しており、その格式の高さが窺えます。

歴史的背景

速谷神社の創建時期については詳細はわかっていませんが、歴史は非常に古く、嵯峨天皇の時代に名神として認められました。その後、清和天皇の貞観元年には神階が従五位上から従四位下に昇進し、更に9年後の年代には従四位上にまで昇格しています。

e「延喜式神名帳」にも名を連ねており、国の鎮護を担う神社として、月次祭、祈年祭、新嘗祭の三大祭りには、毎年神祇官から奉幣が行われるなど、朝廷からの深い崇敬を受けていました。

交通安全の守護

速谷神社は、交通安全の祈願を行う神社として全国的に有名であり、「車を買ったら速谷さん」と言われるほど、多くの参拝者が訪れます。広島電鉄のバスや電車も神社の御祓いを受けることで有名です。このように、山陽道を利用する多くの旅人が、長旅の平安を祈るために訪れる神社となっており、今日でも多くの人々に信仰されています。

祭神と神階

祭神は飽速玉男命（あきはやたまおのみこと）で、天孫降臨に関わった32柱の神々の一柱として名を馳せています。速谷神社は歴史を通じて神階が昇進しており、承平5年には騒乱の平定を祈願された際に、正四位下に昇進されたことも記録に残っています。

境内と文化財

神社の境内には、岩木神社や稲荷神社といった摂末社も存在しています。岩木神社は『安芸国神名帳』に記載の「石城明神」に比定され、稲荷神社は宇加之御魂神を祭っています。また、速谷神社には広島県指定重要文化財である紙本墨書大願寺尊海文書や木造の狛犬もあり、地域の文化を感じられるスポットでもあります。

アクセス情報

速谷神社へは広島電鉄宮島線の廿日市市役所前駅から徒歩で約30分、または廿日市市循環バスを利用することができます。自動車の場合は、山陽自動車道の宮島SAスマートICからも近く、便利な立地にあります。

このように、速谷神社は長い歴史を持つ交通安全の守護神であり、多くの人々にとって信仰の場となっています。

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