逢隈駅

逢隈駅は、宮城県亘理郡亘理町大字逢隈下郡に位置する東日本旅客鉄道（JR東日本）常磐線の駅です。

歴史

当駅の歴史は、まず信号場として始まりました。1960年（昭和35年）10月1日に、日本国有鉄道の「逢隈信号場」として開設されたのがその第一歩です。その後、1987年（昭和62年）4月1日に行われた国鉄の分割民営化に伴い、信号場としての機能は東日本旅客鉄道に引き継がれました。信号場から旅客駅へと昇格し、現在の「逢隈駅」として営業を開始したのは、翌年の1988年（昭和63年）8月2日のことです。

旅客サービスの拡充としては、2003年（平成15年）10月26日に、JR東日本のICカード乗車券である「Suica」の利用が可能となりました。さらに、近年導入が進んでいる、えきねっとを利用したチケットレス乗車サービス「えきねっとQチケ」についても、2024年（令和6年）10月1日から取り扱いを開始しています。

また、過去の特異な出来事として、2011年（平成23年）9月26日に発生した岩沼駅の信号設備火災に関連した対応があります。この火災の影響で、岩沼駅構内の信号設備が使用できなくなったため、当駅と岩沼駅の間では、列車運行を維持するためにスタフ閉塞式という特別な方式が一時的に採用されました。この運用では、当駅が区間の出入口となり、列車運行を円滑に行うために臨時の運転要員が配置されるなど、鉄道運行を支えるための対応が取られました。

駅構造

逢隈駅は地上駅であり、島式ホーム1面2線という構造を持っています。駅には自動券売機と、ICカード利用のための簡易Suica改札機が設置されています。駅係員は常駐しておらず、通常は無人駅として運用されていますが、管理駅である岩沼駅から駅員が派遣されることもあります。利用者は、ホームへアクセスするために駅構内の踏切を渡る必要があります。駅前広場には、列車を待つ間の利用者の便宜を図るための待合所が設けられています。

当駅は、線路ルートの改良工事に合わせて設置された経緯があり、その線形に特徴が見られます。例えば、下り線は一度右手にカーブを描いてから本来の線路に戻るようなルートを通りますが、その脇にはかつて線路が通っていたと思われる直線的な用地が残されています。これは旧線の跡であり、線路の移設の歴史を物語る痕跡となっています。一方で、岩沼方面から当駅に進入する上り線は、この改良によって本線となった新しいルートを通っています。

駅周辺

駅の周辺には、生活関連施設や歴史的な場所が点在しています。主なものとしては、亘理町の地域行政サービスを提供する亘理町役場逢隈支所や、郵便業務を取り扱う亘理逢隈郵便局があります。また、歴史に興味のある方にとっては、古代の役所や関連施設があったとされる三十三間堂官衙遺跡が近くにあり、往時の様子を偲ぶことができます。

隣の駅

東日本旅客鉄道（JR東日本）常磐線における当駅の隣駅は、以下の通りです。
* 亘理駅 - 逢隈駅 - 岩沼駅

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