連山 (航空機)

連山（れんざん）について

連山は、大日本帝国海軍が太平洋戦争中に計画した四発陸上攻撃機であり、略符号はG8N、連合軍によるコードネームはRitaです。1943年に中島飛行機により設計が進められましたが、資源不足と戦局の影響により最終的には計画が中止されることになりました。

特徴

この機体は、特に戦時下での生産性や整備性を重視した設計が特徴です。連山では、厚板構造が採用され、主翼や胴体の製造に必要な部材の削減が行われました。高速力を重点においたデザインも施され、翼面荷重は通常時250 kg/m²、過荷重時に300 kg/m²と高めに設定されました。これにより、高揚力装置として親子フラップが導入されています。また、最大4トンという爆弾搭載能力を持ち、長距離攻撃を視野に入れた設計は、排気タービン過給器や防弾装備の搭載によって支えられました。

連山の設計は、過去の大型攻撃機である深山の経験を元にしており、特にB-17爆撃機から得られたデータを反映させています。機体の重量管理は徹底され、機銃配置も既存の陸攻やB-17を踏襲しつつ、体型や射界の改善が図られました。また、前車輪式の降着装置も採用されており、特異な技術特性を持つ機体となっていました。

歴史

1942年、海軍の技術会議において連山の基本設計が求められ、翌年には正式に開発が指示されました。中島飛行機は設計主任に松村健一技師を任命し、1944年10月には試作1号機が完成。残念ながら、初飛行時には性能面での問題が露呈し、また格納庫での事故により引き渡しが遅れる結果となりました。試作1号機から3号機までの性能試験は不十分であったため、実際の性能は不明のままでありました。

さまざまな課題の中で、連山は追浜飛行場でのテストの後、三沢海軍飛行場に移され、特に過荷重状態での飛行試験が試みられましたが、戦局が悪化する中で1945年6月に計画自体が中止を余儀なくされました。その後、試作機の幾つかは空襲で損傷し、一部機体はアメリカ軍に接収されました。米軍は改修を行ったものの、最終的にはすべて廃棄処分となり、現存する機体はありません。

また連山の派生型も計画されましたが、いずれも戦局の変化に伴って中止されました。2023年には、元中島飛行機の従業員の親族から連山の風防と思われるガラス38枚が発見されるなど、歴史の一部が新たに明らかになっています。

諸元

• - 型式: 4発中翼単葉陸上攻撃機
• - 全長: 22.93 m
• - 全幅: 32.54 m
• - 全高: 7.20 m
• - 発動機: 中島「誉」24ル型（NK9K-L）空冷式複列星型18気筒
• - 最大速度: 593 km/h
• - 武装: 20 mm機銃6門、13 mm機銃4挺ほか

登場作品

連山は小説やゲームでも取り上げられており、特に小説『遙かなる星』では、架空の設定を持つ重要な機体として描かれています。ゲーム『R.U.S.E.』や『War Thunder』でも日本の爆撃機として登場しています。これらの作品を通じて、連山は戦時中の技術革新や歴史的背景を感じさせる存在として存在し続けています。

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