連続波

連続波（CW）とは



連続波（Continuous Wave: CW）とは、振幅と周波数が一定である電磁波のことで、特に正弦波を指します。初期の無線通信では、この連続波を搬送波として利用し、スイッチでオン・オフを切り替えることで情報を伝達していました。

無線通信におけるCWの歴史



初期の無線通信では、火花送信機が使用されており、この送信機は減衰波と呼ばれる、短時間で減衰する電波を生成していました。この減衰波は帯域幅が広く、他の無線局との混信を引き起こすという問題がありました。

より効率的な通信のためには、減衰しない連続波が求められました。連続波は帯域幅が狭く、他の通信への干渉を最小限に抑えることができます。1913年頃、真空管式発振器が発明され、連続波を生成することが可能になりました。これにより、無線通信の品質が大幅に向上しました。その後、1920年頃には減衰波式の火花送信機は、連続波式の真空管送信機に取って代わられました。

CWによる情報伝達



連続波による情報伝達は、電鍵と呼ばれるスイッチで連続波をオン・オフし、短点（トン）と長点（ツー）の組み合わせでモールス符号を表現します。これにより、文字や数字を無線で伝送できます。連続波の無線電信信号は、一定の振幅を持つ正弦波のパルスと、信号のない間隔で構成されています。

オンオフ変調では、搬送波のオン・オフが急激であれば帯域幅が広くなり、逆に緩やかであれば帯域幅が狭くなります。この帯域幅は、データ伝送速度と密接な関係があり、以下の式で表されます。

$$B_n = BK$$

ここで、


キークリック



連続波の送信において、搬送波のオン・オフを急激に切り替えると、スプリアスノイズである「キークリック」が発生します。このノイズは、信号帯域幅よりも高い周波数で発生し、他の無線通信に干渉する可能性があります。キークリックを抑制するために、オン・オフの切り替えを緩やかにしたり、他の変調方式を用いることが一般的です。

無線電信としてのCW



初期の無線送信機では音声の送信ができなかったため、CW無線電信が唯一の通信手段でした。音声伝送が可能になった後も、CWは簡素で堅牢な送信機で使用でき、干渉に強いことから、依然として有効な通信手段として利用されています。また、信号の帯域幅が狭いため、受信機で選択性の高いフィルタを使用でき、ノイズを大幅に低減することができます。

アマチュア無線では、現在でもCWが広く利用されており、「CW」という言葉は「モールス信号」とほぼ同義で使われています。モールス符号は、無線信号だけでなく、電線、音、光など様々な方法で送ることができます。

その他の応用



連続波は無線通信以外にも様々な分野で応用されています。


まとめ



連続波は、初期の無線通信から現代のレーダーやレーザー技術まで、幅広い分野で活用されている重要な技術です。その単純さと堅牢さから、今後も様々な場面で利用され続けるでしょう。

参考文献



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